episode.『12月29日(日)/12月30日(月)』
人並みより貧乏な環境で、自分頼りの人生。
割り切った考えをする私は、よく言えば大人で、悪く言えば能天気。
一度本気で死のうとしたことがある。
けれど未練があって、無理だった。
死ぬ勇気はないくせに死を受け入れる覚悟はある。
だから何もかもを見限れてしまう。
ただそれだけのことなんです。
※
いつも一人で、誰も頼れない。
孤独が当たり前の人生。
だから困っている人を見ると見過ごせなくなる。
救われない人の気持ちが、誰よりもわかってしまうから。
助けたところで、見返りなんて何もないのに。
見て見ぬ振りができなくて、手を差し伸べる。
誰よりも救いを求めているのは、自分なのにね。
※
人を羨ましがる自分が嫌いだ。
人を待たせる自分が嫌いだ。
人生は、後戻りできず、進むことしかできない。
後ろを向いても道はなく、立ち竦むだけ。
暗闇に思い出を馳せ、停滞する。
時間は流れ、周りは歩むことをやめない。
その背を眺めて、私は一人、逆進して。
私は、孤独な傍観者になっていた。
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