episode.『08月24日(土)』



やはり、うちの父親は最低だ。


子が遅く帰り、その理由が足の怪我だったのだとしても。


心配通り越して怒鳴り散らすことしかしない。


お前のせいで晩御飯が遅くなるだの、自分のことばかり。


上っ面の偽善を持った独裁者。


こんな家に生まれて幸せだと思えたことがいくつあっただろう。


きっとゼロだ。



      ※



常識や正論を語るのは大抵、寄り添うことをしない強者。


仕事ができ、出世コースで上には立つが、信用はされても好かれてはいない。


一人で何でもできるヤツほど、傲慢で。


そんな冷淡なヤツが大嫌いだ。


社会の厳しさを体現したようなヤツにはわかりようもない。


報われないモノの苦しみ。


戯言だ。



      ※



上っ面の優しさ。


自分勝手な言動。


決めつけと責任転嫁。


気が短く、許容がない。


心が狭く、言いがかりばかり。


常識を語るわりに、非常識で。


手のひら返しが激しく、人を嘲笑う。


傲慢な独裁者。


愚痴を怒鳴り声で張り上げて。


家族にあたっては、飯を不味くする。


それが親とは呼べない私の父だ。



      ※



誰もいない世界に行きたい。


一人自由に生きていたい。


そう思ったのはいつからだろう。


そう願ってしまったから、始まったのかもしれない。


青空を見上げる度に噛み締める。


いつになったら、近づけるのか。


掲げた夢は壮大で。


叶わない夢ばかり見ている。


ただ一つ、訪れるのは。


私の消失だった。


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