episode.『08月14日(水)』



ただひたすらの寂しさ。


それを癒すのは誰かの愛。


それを求めていながら、それを拒む。


人肌恋しいくせして、たった一人に拘っている。


叶う保証も、振り返ってくれる素振りもないのに。


私は愚かに想い続ける。


どんな結末になろうとも、君だけを想おうとしている。


そうすることしかできないから。



      ※



君は何を思っているのかな?


私のことなんて、とうに忘れているかな?


誰かと幸せな日々を送っているのかな?


そうだとしたら嬉しいし。


そうだとしたら寂しいな。


私の中の君は大きく居座って。


君の中に私はいない。


君が笑顔でいるのなら、それでいいのかもしれない。


けれどやっぱり、寂しいです。



      ※



募り募る女々しき想い。


諦めることを諦めて、ただひたすらに君を想う毎日。


ふとした瞬間に現れる、君の笑顔。


忘れることなんて不可能で。


夢の中にも君がいて。


だから何度も思うのです。


私は君が大好きで。


誰よりも愛している。


世界中で一番、愛している。


叶うなら、私は君と幸せになりたい。



      ※



私が話しかけられないのは、君に迷惑だから。


私と一緒にいたいだなんて人、存在しないから。


私は君に声をかけられない。


かけたとしても君はいなくなるから。


それが私を奈落の底に突き落とす。


ならいっそ、話しかけない方が傷は浅くて済む。


だから私は一人なのです。


だから私は独りなのです。


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