episode.『07月14日(日)/07月16日(火)』
好敵手がいたら。
ずっと誰かが傍にいたら。
誰かのために何かできただろうか。
こんなにも寂しくなく済んだのだろうか。
自分を理解してやれるのは自分だけ。
頼りも支えもない。
辛く苦しい毎日。
もしもの世界を想像しては、虚しく終わる。
だから別世界の住人に憧れる。
私は主人公になりたいよ。
※
19歳は10代の最後。
子供から大人へと変わる節目。
心は必然的に不安を抱える。
現実は残酷で悲惨だということを身をもって知っているから。
歳をとるにつれ、それを実感する。
だから怖い。
その領域に足を踏み入れることが。
どれだけ深く見積もっても、上回って来る。
広く厳しい、辛苦の世界だ。
※
子供だから許される。
大人だから許されない。
当たり前のこと。
わかってはいても思うのです。
不公平じゃないかと。
子供は仕方ないで片付けられ、大人は厳しく虐げられる。
ずっと子供のままの大人だっているだろうに。
皮肉を並べる時点で私ももう、立派な大人。
もっと、子供でいたかったです。
※
怒鳴り声で愚痴しか零さない父。
文句をつけてはふんずりかえる。
夏は嫌いだ。
暑さで酒を進ませ、必ず父の怒りが飛び火する。
毎年、怒らなかった試しがない。
過去の話を掘り返し、たかがそれだけのことで人を責め立てる。
短期で器の小さいクソ野郎。
私か父が死ななければ解放されない苦しみだ。
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