July

episode.『07月01日(月)/07月02日(火)』



何をして、何を見据えるか。


例えば創作。


物を作るだけじゃ、時間の無駄。


その工程を楽しむのは当たり前としても、作って終わりじゃ何の利益もない。


料理なら腹を満たせる。


マフラーを編めば使える。


作るのにも目的がなければ、達成感しか残らない。


それだけで終わりなんて、私は物足りないよ。



      ※



好きな人にはいつまでも善良であり続けるけど、嫌いなヤツにはとことんゲスであり続ける。


人によって態度を変えるクズ。


猫を被るというよりも、自分の一部を隠すと言った方が近い。


だから誰も気づかない。


私は醜い素直な偽善者。


裏表がはっきりとしている。


だから孤独が当然の報いなのだろうな。



      ※



人が汚れていくのは、社会の所為?世界の所為?


それに膝を屈した自分の所為?


きっと全部だ。何もかも。


この世に生を受けた瞬間から決まっていた未来。


抗いようのない運命。


否定され、居場所を失くし。


残ったのは孤独と後悔。


認められたいがための反骨心。


誰に何を言われても私は私の道を行く。



      ※



好きでいてくれる物好きに感謝はすれど、関わることのない人に嫌われようと正直どうでもいい。


嫌われて当然の醜さに自覚がある。


だから誰がいつ離れていこうと傷つかない自信がある。


傷ついても大丈夫な関係しか築かない。


嫌われる前提。


どうせあなたも離れるのだろう?


そう見限っているから。



      ※



大丈夫。安心して。


誰もが私を嫌おうと、私は常に私の味方。


心配しなくとも私を見つけられる者なんていやしない。


否定されても、認められなくても、私が私を肯定する。


私を理解できるのは私だけ。


見限った世界に何の期待もしていません。


私まで離れて行っては、私は本当に一人ぼっちになるから。



      ※



夏祭り。花火大会。


私には一生縁のないイベント。


こんな時間に帰宅するのは久しぶりで。


耳に流れる花火が、張り出されたポスターが。


それを思い出させる。


電車に揺られ、また私は君に会える可能性を胸に抱く。


君と一緒に。


そう願うばかりの毎日に淡く切ない夏がまた、やって来ようとしていた。


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