episode.『04月03日(水)』



電車に揺られる30分間。


窓の景色を眺めて過ごすこの時間が、私は嫌いじゃない。


雲ひとつない空に、輝く海。


反対側には山があって、春夏秋冬の景色を味わえる。


いろんな色で溢れた街々が、別世界のように思える。


黒く染まっていた心が、その色さえ失っている。


私には世界が眩しくて仕方がないよ。



      ※



綺麗な人を見かけた時、自然と頬が緩んでしまう。


でもそれは、下心なんかじゃなくて、きっと誰か好きな人がいるから、こんなにも輝いている。


私はこの人と、友達以上の関係にはなれないだろうなと完結する。


だからいつでも、逃げられる体制を取っている。


別れが、辛くならないように。


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