誰かの傍にいたいけど、私がそれを許さない。

憧れと恐れ。

惹かれる想いを自ら捨てる。

その隣にいたいけど、私にそんな資格はない。

私は執着する嫌な奴だから、きっとあなたを傷つけてしまう。

だから私は平気で自分を殺す。

そうやって私は私の屍を越えて行く。

私は一人でいるべき人間なんです。

　　　　　　※

何もできないのが嫌で、ずっと一人で頑張ってきた。

そんな私を皆は凄いと言う。

私がやっている事は全然大した事のない、できて当たり前の普通の事なのに。

だから、頼られても困るのです。

寄り縋るモノが何もない、酷い親をもった出来の悪い子。

本当に頼りたいのは、支えのない私の方なんです――。

　　　　　　※

最低限の自由が保障された生活。

私より不幸な人はたくさんいる。

でも私は、この家が大嫌いなんです。

お前のためにと敷かれたレール。

けれどそれは、自分勝手なもので。

私の意思なんて存在しない。

親には憎悪しか湧かない。

貧相な暮らしで世話になる間だけの辛抱。

何もできない私は、無力だ――。

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