episode.『09月06日(木)』



一人に慣れた上辺の自分。


心の奥底で、孤独に押し潰されそうになる自分。


どちらが本当の自分なのか。時々、自分がわからなくなる。


でもやっぱり、最後に残るのは結局どちらも『ひとりぼっち』だということ。


何も感じないはずなのに、寂しさにより泣き叫びたくなる。


どうすればいいのだろう――。



      ※



自分勝手な親。常識を語る割に、全然まともじゃない。


偏屈で、ひねくれ者で、子供に対する思いも上辺だけ。ただの独裁者。


ああいうのを親失格と言うのだろう。悪い大人の例としてしか感謝がない。


歪すぎる家庭。幸せがどこにあるのかわからないほどに、普通じゃない。


もっと自由に生きたかったな。



      ※



人と関わることが嫌いだ。


関わってしまえば、他人との違いを見せつけられる。


自分の求めるものはないのだと、現実を見せつけられる。


どんなに手を伸ばしても、それが違えば泡となって消えてしまう。


お前も、本物ではなかったのだと。


暗闇の中、佇む私は、


それでも手を伸ばし続ける私は、愚かだ。



      ※



誰も認めてはくれないだろう。私という人間を。


あなたが知っている私は、私じゃない。


あなたが求めている私は、偽りの道化。上辺の私。


それでも演じ続けるのは、誰かに見つけてもらいたいから。


届かないとわかっていても、捨て去ることができない。


愚かな私の、数多い願いだ――。



      ※



誰も私を知りはしない。


親に縛られ、環境に縛られ、何度も現実を見せられる。


生まれた星を間違ったと、何度思ったことか。


死んだ方がましだと何度思ったことか。


自由って、どこに行けばあるのかな……。


どうすれば、手に入るのだろう……。


私にはもう、わからないよ――。



      ※



一人は強い。けれどか弱い。


欲が満たされれば、今の自分は消えてしまう。


求めていたものが手に入った時、願いが叶った時、私は何もできなくなってしまうだろう。


儚い。願えば願うほど苦しくなる。求めれば求めるほど、悲しくなる。


届いてほしいけれど、叶ってほしくはない。


ほんと、嫌になる。


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