第六話∝お義父とお義母

今日は久々に

結華の実家に来ていた。


二人は僕のことを

《本当の息子》のように接してくれる。


「柚君はゆっくりしてていいのよ」


手伝おうとすると何時も

お義母さんに止められ、

それでも腰を上げようとすると

今度はお義父に止められる(苦笑)


「そうだぞ、

此処にいる時くらい休め」


『お父さんもお母さんも

柚夜に甘々ですね』


僕にぴったりとくっついて

結華が二人に言った。


「息子を甘やかしてなにが悪い」


『悪いなんて一言も

言ってないじゃないですか。


私は嬉しいんですよ、

二人が私達のことを

認めてくださったことも

柚夜に本当の息子のように

接してくださることも』


それは僕も感謝している。


「最初は驚いたけどな。


まさか、同性の恋人を

連れてくるとは思ってなかったからな」


普通はそうだよね……


初めて此処に

連れて来てもらった

時のことは覚えている。


お義父さんもお義母さんも

最初は戸惑った表情(かお)をしていた。


だけど、話している内に

認めてくれていた。


「あたしだって、最初は驚いたけど

結華が幸せならそれでいいのよ」


居福家は温かい。


例えるなら春の

陽だまりのような

ポカポカした温かさだ。


今、とても幸せだ。


愛するお嫁さんがいて、

その家族に認めてもらって、

僕を本当の息子のようだと

言ってくれるのだから。


「柚夜、今日は泊まっていけ」


いきなり、お義父さんが言い出した。


『私じゃなくて柚夜に

言うあたりが流石お父さんですよね』


結華の拗ねた声音と科白に

僕とお義母さんは笑った。


金・土と二日泊まり、

日曜日の昼に帰って来た。


お義母さんと料理をしたり

楽しかった。

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