第4話 月の矢は

いつもの帰り道をとぼとぼと、いつものようにしょぼしょぼと。

それじゃいかんと顔をあげ、上を向いて歩いていると、見上げた空に見えるのは、雲の後ろにぼんやりと姿を映す半月が。

その月、まるで弓矢のようで、地上に向けて放つのは、希望の矢か?絶望の矢か?

どちらにしても私には到底当たる角度ではなく、まるで何かを指しているかのように。

「その矢の落ちる場所にいかねばならぬ☆!」そんな思いに駆られて、歩き出した今日の日に。

しかし月の矢じりの落ちる場所、追えど捜せどみつからず、巡り巡って着きたるは、一周回って元の場所。けれどそこから見えた月。最初のそれとは違いたる。

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