第3話 あれから
あなたは、あれから何度も、オムライスを食べに来るようになった。そして、自然と話すようになった。
話によると、あなたの名前は成瀬さなえ。彼女は、近くの高校に通っている高校2年生だ。部活は美術部で油絵を描いているそうだ。
「どんな絵を描いてるのですか?」
「私は、抽象画を描いています。こんな絵を描いています」
と、写真を見せてくれた。すごいと思った。 あなたがこの作品を描いているなんて想像が出来ない。
「すごいですね。さなえさんの絵、とても好きです。私には、とても描けません」
「ありがとうございます」
あなたは、照れてた。かわいいと思った。
俺は、高校に行ってなかったからあなたの話はとても新鮮だった。
あなたは、おこづかいを貯めながらオムライスを食べに来ているようで、毎週 日曜日に食べに来ている。
なかなか会えなくて 寂しいと思った。
俺は、あなたの名前を呼んだのは、お客様だからだ。俺は、あなたのことを聞いて知っているのに自分のことを自分からは、全く話してない。
それは、俺のことをただの喫茶店の店員と客という関係で終わらせたかった。お互いのことを知れば知るほど、どんどん好きになってしまうから。
お客のことを知るのも店員の務めである。あなたにとって、俺を楠木遼くすのきりょうではなく、ただの店員でいいと思った。あなたは、薄々俺のことを知ってるのかもしれない。
他の客の中でも常連客には、遼君と呼ばれてるから。世間話の中に俺の話が入っているから聞こえたかもしれない。
俺は、あなたを好きになっては、ダメなんだ。あなたのためにもこれだけはダメなんだ。
あなたを悲しませることが起こるかもしれない。俺もあなたのことをただの店に来る女子高生と思う。恋愛感情を持たない。
他のお客様のように世間話をするだけでいいんだ。そのときの俺は、俺自身にそう言い聞かしていた。
あなたが店に来る度に、俺の心臓はおかしくなる。ドクドクとうるさい。顔が熱くなる。
そうなる度に、俺自身にあなたは、女子高生のお客様と言い聞かしながら、接客をする。
俺の心臓のドクドクや顔が熱くなるは身体が弱いからなることで、恋愛感情でなるのではない。
恋愛感情といっているが、これはドラマや漫画の影響であって実際はどんなものかは分からない。
今の俺は、もうあなたに恋いてるかもしれない?
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