第5話 『自分で・・自分を抑えられない・・・の』

クリス・・・

『今日は帰らないで・・一緒に居て・・・欲しい』

って・・・

本気なのか?


一気に進みすぎだぜ!!

多分・・

『クリスの初めてを俺が奪った事によって歯止めが効かなくなってるんじゃ?』

狂乱なクリスになっちまったら取り返しがつかなくなっちまう


俺は今までのままの清楚なクリスのままで居て欲しい・・・

『こんなにまでクリスを狂わしちまったのは確実に俺・・だな』


俺が・・何とかするしかない・・よな!!

俺はクリスの両方に両手をそっと置いてクリスを見つめながら

「クリス今日は一度に色んな事が起こり過ぎて今俺も、お前も混乱してるんだと思う少し落ち着かないか?」

とゆっくりとした口調で説得


するとクリスは不安そうな表情で俺を見つめながら

「そう・・なのかな・・私自信まだ体がふわふわしてる感じなの。現実の世界に居る実感が無いって感じ・・・だからなのかな?」


「そうかも、喉が渇いちまったよ。何か飲むものとか貰えると有難いな」

「えへへっ。そうだね。上がって上がって。飲み物コーヒーで良いかな?」

クリスも冷静になってきたのかな?

夕方の事でクリスも混乱してたのかもしれない

少し考える余裕が出てきた感じがする!!

コーヒーか~何かブラックで飲みたい気分だな

コーヒーと聞いたら喉が余計に渇いてきちまったぜ!!

「うんうんそれ最高~!!」


クリスは落とした荷物を拾い上げると俺の手を引いてワンルームの広いリビングへと手を引いてゆく


洗面台、トイレ、お風呂、洗濯ブースが玄関の両脇に並び奥に広がる30畳近くのワンルームの広い空間

そして真正面に一面に広がるガラス窓の外に広がる東京の夜景


そんな光景に飲まれたせいか俺は思わず

「此処に住みたいくらいだな」

なんて無意識に呟いてしまってた


「一緒に住もうよ」

クリスの口から発せられたその言葉に

一瞬で体が熱くなる


『一瞬・・そうしたいと・・思ってしまってたのだ』


「止めてくれよ冗談は・・・」

「冗談じゃないわよ?住んじゃいなよ」


・・・


俺の思考が停止する

頭の中は真っ白で何も考えられない・・


・・・・



・・・・




無言で見つめ合う俺とクリス

『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


ヤバイ・・・

俺とクリスの2人だけ

それを意識すると・・・


『歯止め・・効かねえ~~~!!』


マズイ!!


マズイ!!


マズイ!!


マズイ!!


マズイゾ!!


クリスも潤んだ瞳で見つめてきてるし!!

『流されるな!!俺~~~!!』

気力だ!!

気力で乗り切れ~!!

『このまま本能のままに狼になっちゃダメだ!!』


俺は勇気を振り絞って


「こ・・・コーヒー・・・」


「あ・・・そ・・そうだね」



ぎこちないクリスと俺のやり取り


『くすっ』


『あはははっ』


思わず俺達は気まずさに笑い合ってしまってた。

そんなクリスはと言うと・・・

キッチンの食器棚からサイフォンと、ミル、コーヒー豆を取り出すと早速蓋のついたコーヒー豆の入った透明なガラス瓶からコーヒー豆を取り出してミル


俺はそんなクリスを見ながらダイニングテーブルの椅子に腰掛けた


電動ミルで粗めにミルしているみたいだ・・・

何時もこんな風にコーヒー豆をミルしているんだろうな

俺は・・・

コーヒーを準備するクリスの姿に無意識の内に見蕩れてしまっていたみたいだ


「そ・・そんなに・・み・・見つめられると・・はじゅかしいょおぉ~」

と言った瞬間真っ赤に顔を染める

「ごめん。あまりにも可愛いクリスの姿に見蕩れてしまってて動けなかったんだ」

「そんな言い方・・・じゅるいでしゅ・・・」


うをぉ~~デレてるクリスの破壊力凄すぎ~~!!

それに噛んでるクリス・・・可愛いすぎ!!


「だって俺にとってはクリスは天使だもん」

そう言うと



『ダダダダダダダダダ~』


と一気に俺の座っている椅子の所まで走ってくると、後ろから無言で俺を一気に抱きしめてくる。



「どうした・・・」


・・・・


・・・・


シーンと静まり返った部屋の中に俺の言葉だけが響く・・



・・・


・・・



・・・


無言の時間・・・


そして・・小さく



「自分で・・自分を抑えられない・・・の」


と俺の後ろから小さく囁いてくるクリス


つづく・・・

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