第19話

 俺たちは覆面パトカーの中で六人部むとべキララから事情を訊いた。



 運転席にはイケメン刑事の冨田、助手席にヒデが座り、後部座席にはキララを挟んで俺とクリスが腰を下ろした。



六人部むとべさん…… このバラードはユウキがあなたへ送ろうとした曲です」

 俺の指示でヒデが曲を流した。



 『ラストソングは届かない』だ。ユウキのギターソロから演奏が始まった。



「こんな曲…… 知りません」

 キララは視線を逸らせ綺麗な眉をひそめた。



「そりゃァ~ないだろ」ヒデが身体ごと捻ってクレームをつけた。



「あんたは売れないユウキ君とセレブ御曹司を天秤にかけて…… 

 らなくなったユウキ君を切った。

 そうだろ❗」

 首ををした。



「知らないッて」まだシラを切った。


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