高校最後の夏休みだしゲーム部の皆で壱岐対馬の海水浴に出かけようか

 さて、高校最後の夏休みも半ばになった。


 クーラーの効いた部室では部員のみんながゲーム制作などをしているが、3年生はもうすぐ引退だし、その前にみんなで一緒に遊びに行きたいところだな。


「みんなゲーム制作なんかが忙しいだろうけど、みんなで遊べるのはこれが最後だろうし、みんなで海水浴にでも行かないか?

 個人的には壱岐・対馬の旅館か民宿やビーチを貸し切りにして遊びたいと思ってるんだけど」


 俺の言葉にうなずいたのはまず浅井さん。


「あ、それ、すごくいいと思います」


 そして上杉先生もううなずいた。


「うむ、せっかくの高校生最後の夏休みだしいいのではないか?」


 そして少し悩んでいた斉藤さんが言う。


「東大受験があるのにそんなことしていても大丈夫なのかしら?」


 それに対して俺が答える。


「中学校3年生の時も高校受験やゲーム制作のために午前中に勉強をして、頭が疲れてきたら市民プールへ自転車へでかけて2時間くらい軽く泳いで気分をリフレッシュしたりしたけど、そのほうが効率もよかったし、なんなら教科書や参考書を持っていけばいいんじゃないかな?」


 俺がそういうと斉藤さんは軽く笑って言う。


「たしかにそうかもしれないわね」


 そして突っ込みを入れてくるのは北条先輩。


「で、本当の目的は何なのでしょうか?」


「あー、純粋にたまには普通の高校生らしく遊ぶのもいいかなーと思ってたりもするんだけど、まず壱岐や対馬の現在の状況を見て可能なら土地とかを押さえちゃいたいんだよね。

 将来的なことも考えてライジンググループの保養所になる場所を増やしたいんだ。

 で、できれば人が少なそうな場所がいいなって思ってさ」


「まあ、壱岐や対馬であれば現状でも人は多くはないでしょうね。

 少なくとも千葉や神奈川、沖縄などの海に比べればですが」


「人が少なくて静かな上に水も砂浜もきれいみたいだしいい場所みたいだよ」


 ”前”では韓国資本による壱岐や対馬、それ以外にも日本全国の無人島などの土地の買収が拡大していたが、対馬では自衛隊の敷地内といっていい場所にも及んでいたりする。


 国として自衛隊周辺の土地を守ってくれないなかで、周囲をハングルの看板で取り囲まれていく状態では自衛隊の隊員も、やるせなく悔しい思いだったろう。


 そもそも日本の土地を含んだ不動産は、外国人であっても日本人と同様に所有権を取得する事が可能なのだが、外国人の不動産所有の規制は国によって様々であるが、外国人名義では不動産は購入できなかったり、住居の保有は可能だが、土地の購入は不可だったりする、国・地域は数多い。


 アメリカにおいては外国人の土地取得は基本的に自由だが、外国人の取引全般に対し大統領に安全保障上の取引停止・禁止権限を与えているので実質的には自由にできないということだがそれが当たり前だ。


 日本でも一応は外国人土地法という大正14年(1925年)に制定された日本の法律で、国防上必要な地区においては、政令によって外国人・外国法人の土地に関する権利の取得を禁止、または条件もしくは制限をつけることができると定め、「外国人土地法施行令」(大正15年11月3日勅令第334号)が定められ、国防上重要な地域における外国人による土地の取得に関して、陸軍大臣、海軍大臣の許可を得ることを義務づけていた。


 そしてその勅令では伊豆七島、小笠原諸島、対馬、沖縄諸島、南樺太、千島列島など外国に近い位置にある島々や、横須賀、舞鶴、呉、佐世保など帝国海軍鎮守府所在地が対象となっていた。


 しかし勅令は太平洋戦争終戦後の1945年(昭和20年)、「司法省関係許可認可等戦時特例等廃止ノ件」(昭和20年10月24日勅令第598号)によって廃止された。


 そして外国人土地法の、施行のための政令が失われてしまっため、実質意味がない状態なのだ。


 この状態はさっさと改善するべきだろう。


 もし、朝鮮半島で何らかの有事が起こった場合にはボートピープルとなって難民が上陸し、その中に武装工作員が紛れこむ可能性はかなり高くなるだろう。


 もっともそもそも戸籍を乗っ取る”背乗り”が横行していた時点でそれ以前の問題ではあったわけでもあるが。


「では壱岐・対馬の旅館か民宿やその近くの海水浴場、もしくは山林や浜付きの借家か売り物件を探してみましょう」


「うん、お願いね。

 ついでに旅客機もチャーターしてもらえるかな」


「わかりましたわ」


「じゃあ、みんな、2泊3日で海水浴の準備をしてくれるかな」


 俺がそういうと朝倉さんが言う。


「どうでもいいですがいっつも唐突にこういうことを言うのは何とかならないですか。

 予定がある場合だってあり得るですよ」


「あ、もしかして家族旅行とか友達と出かけるとかの予定があった?

 ならそっち優先でもいいよ」


「いえ、それは別にないのですが、いろいろ準備や親などへの連絡というものもあるですよ」


「ああ……そうだよな、もう少し早めに言う事にするよ」


 まあそれはともかくゲーム部の皆で出かけることになったのだが、結局行くのは3年生と2年生のメンバーで1年生はゲーム制作を優先したいということで今回も不参加だった。


「先輩たちと違って俺たちはまだまだ名前が売れてないですからね。

 海水浴にも自分たちの稼いだ金で行きたいですし」


 織田君はふてぶてしく笑いながら言うがまあ気持ちはわからなくもない。


「うん、わかった、あまり根を詰めすぎないようにね」


「わかってますって」


 俺たちの時はゲームハードのグラフィックやサウンド、カセットの容量などの性能限界もあってそんなに制作に時間がかからなかったゲーム制作も今ではサンシャインという高性能なハードに合わせて作らなければならないため、普通に半年以上は制作に時間がかかるようになってしまってるからな。


 それはともかく壱岐や対馬の国防上重要そうな海岸線や山林などをこのさいだからごっそり買ってしまいたいと思う。


 そうすれば日韓トンネルなどという計画もつぶすことができるだろう。


 ”前”にはドーバー海峡の英仏トンネルが開通した後に英仏間で、難民をめぐる醜い争いが始まった事実を忘れてはいけないのだ。

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