福井は意外と観光名所が多いな

 さて、昼飯を食べ終えて次に向かうのは新潟から富山・石川を越えて、福井の芝正ワールドだ。


 新発田駅から新潟・上越妙高・金沢を経由して特急列車を乗り継いで芦原温泉駅まで5時間ほどかかるので今日はそこで一泊して翌朝に芝正ワールドをみて山陰に向かう予定だ。


「うーん、ほぼまっすぐの線路は接続されているのに、特急を何度も乗り継がないといけないのは正直面倒だな。

 かといって飛行機で移動するのもこれまた本数がなくて不便だし」


 俺がそういうと北条先輩がうなずいた。


「確かにそうですわね。

 とはいえおそらくこういった移動の仕方をする者が少数なのでしょうけど」


「まあ、そうだろうな」


 基本的に国鉄を継承したNRは東京方面や上野方面を起点として考えられていることもあって、日本海側の路線は特に接続が良くはない。


 まあ、東京と上野を途中経由する場合の接続も決してよくはないのだが、上越新幹線の後の北陸新幹線が開通したが高崎から分かれているから新潟から北陸方面へ直接走る新幹線はない。


 まあ、そうはいってもどうしようもないのだが、東海道山陽新幹線や東北新幹線の走っている地域に比べると鉄道での移動の不便さがかなり目立つから車を使う人が多いのではないかという気もする。


「ようやく到着か」


 まあそれはともかく芦原温泉駅は、芦原温泉や東尋坊などの観光地など、県北地域への玄関口となる駅でもあり、駅前には土産物店や飲食店・商店が若干数軒を連ねるが、駅前ロータリーを除いては閑散としている。


「やっぱり、微妙な感じではあるか」


 今回の旅行では小山と仙台はかなり栄えていたし、盛岡もまあまあではあったがそのほかの場所は栄えているとは言い難い感じだった。


 青森・秋田・新潟ときて福井にたどり着いたわけだが長島温泉ランドの近くの名古屋と東西の位置ではさほど変らないのだが。


 芦原温泉駅は百有余年の歴史ある福井県屈指の名温泉で、多くの文人・著名人に愛された「関西の奥座敷」でもある。


 そして温泉旅館での夕食だが、福井といえばまずは越前ガニが有名だがウニもかなりおいしく、ブリやサクラマス、イクラなどの入った海鮮丼はかなりおいしい。


 船盛にされた刺身や、天ぷら、焼き魚煮魚などももちろんうまい。


「肉もいいが新鮮な魚介類はやっぱうまいな」


 俺がそういうと明智さんがうんうんとうなずいた。


「そうっすね、あちこちを食べ歩きするのは最高っす」


 そして浅井さんも言った。


「ブルートレインだけでなくローカル線の旅番組とかも人気ですよね。

 やっぱりおいしいものが食べられる場所があるというのはいいことだと思います」


「たしかにそうだよな」


 この辺りには東尋坊や越前松島水族館、北陸の浄土真宗の布教の拠点になった吉崎御坊跡なんかもあるから、新潟よりは観光名所も多い。


 あとフクイラプトル・フクイサウルス・フクイティタンと言った恐竜も発掘されるんだったっけ。


 恐竜の発掘を俺たちで進めて、アトラクションの流行も変えていくのもいいかもな。


 で、芝正ワールドは昭和52年(1977年)オープンだから意外と新しい施設だ。


 どちらかというとプールがメインの施設でジェットコースター・コーヒーカップ・バイキング・パットゴルフ・グラウンドゴルフ・ゴーカート・バギーカーにキャンプ場などもあるが日本海が見えるウォータースライダーなどがメインだな。


 現状は100万人近い入場者数があるんだが2010年には35万人となっていたりするのであまり気は抜けない。


 むろん、これはバブル崩壊やリーマンショックに加えて地方の疲弊というのは当然あるのだが、ロッカー、シャワー、更衣室の導線が無茶苦茶で、外から土足で入ってくる人がいて汚いとかがある。


 これではプールの水もそれは汚れることもあるだろう。


「これは更衣室や通路などを全部作り替えないと駄目そうだな」


 北条先輩がため息をついていった。


「そうですわね」


 そしてトイレもきれいでなかったりするのもお約束だったりするがこの辺りは全部変えていかなきゃいけなそうだ。


 まあ数字だけ眺めるのではなく、現場を直接確かめるのは大事ってことだな。


 現状では入場者数は十分なのに何で激減するのかっていうのにも理由はあるわけだし。


 芝正ワールドを見て回ったら芦原温泉駅に戻って蒜山高原ジョイフルパークへ向かうために江尾駅へ向かうが、これもまた特急と新幹線を乗り継いで6時間くらいは時間がかかるだろうから、あとは移動だけで終わりだな。

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