第32話 よく言われること
頻度を表す言葉も微妙なもので「よくある」といったら毎度毎度あることのようでもあり、たまにあることにも使ったりする気がします。
本当は稀なことであっても、印象に残るがためにいつもあるように感じることはよくあることではなかろうかと思います。
そういう意味でよく言われるんですが、この間も言われたことに「小万坂(仮)さんてもっと喋ったらモテるのにね」と言われました。(仮)なのは本名じゃないんでそこは本名を言われたんですけどね。
まあ、自分のトーク力は前回の話で壊滅的なことはよくわかってもらえると思いますが、確かに面白いことをほいほい喋ってるような人間ではありません。
別にまあ……、まあ。なんというか。不特定多数の方にモテるために生きているわけじゃあございませんので、別にいいんですけどモテなくても。カッコよくなりたいとか、ちゃんとした人になりたいとかは思いますよ。あとまあ好きな相手には好かれたいとは思いますけど、だからといって遜ろうとまではおもえません。
面白いことをしゃべれるようになるならなりたいもんですが、あまり向いてないのでしょう。なにか訓練的なものをすればなれるのかもしれませんけどね。
いやまあそれはどうでもいいというか、結局それってあんたモテないよと言われてるんですかね。世の中喋んなきゃモテるといわれるような人たちもいるわけで、たまに話に出る職場の先輩も喋んなきゃモテるだろうとよく言われてます。
まあ、どうすればモテるのかという話ではなくこれって主観の問題ですよねと言いたいのですよ。
喋らなくてもいいほどのルックスや財力や気配りがあればモテるんですよ。桜蘭高校ホスト部のなんとか先輩みたいに。きっとたぶん。
大体人間って比べて劣ってる部分は分かりやすく目立つもので、それさえなければと思うものなんでしょう。だいたいそういう評価って他人からされるもので言われていたらそういうものかと自分を規定するようになるんじゃないかなと思います。
つまりまあ、人からかっこいいと言われていたら、かっこいいって何だろうとか考えてかっこいいようになるんだろうと。頭がいいと言われたら、頭が良いように振舞わなきゃいけないんだろうなと思うようになって実際そういう風になっていくじゃなかろうかと思うわけです。
多分に勘違いもいいとこですが、同じ現象を見た人間の考えることは普通は似たような結論に至るわけで、かっこいいとみんなが言っていたらそれがかっこいいことになるんですよ。
西洋人がかっこいい風になってるのはそういうイメージ戦略であって、実際スーツやらなんやら洗練されたものはかっこいいですし、そういものはみんなかっこいいと思うわけです。
汚らしい西洋人はそりゃ汚らしいですし、スーツをびしっと着た西洋人は格好よく見えます。というか西洋人の体形に合わせて格好よく作られているのだから当然なわけですけれど。
まあ、長くなったのでこれくらいで。
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