ヤンデレ好きの俺の隣の子はヤンデレだったようで

黒崎

一年目

プロローグ

 見つけた。


 久しぶりに見たキミは、そんな顔になってたんだ。思ってたよりもカッコよくなってて、背も前より伸びたのかな?

 私のこと、覚えてくれてるかな?

 キミのために、綺麗で可愛くなれた……と思う。キミの理想の人になれてるかな? 不安だけど、受け止めてくれると嬉しいな。


 ひゅるんと、少し強い風が吹いた。

 風に吹かれた桜の花びらがひとつ、キミの頭に落ちた。

 また風に吹かれて、はらりと舞い散る花びら。キミの髪の毛に触れた花びら、キミの成分が溜まってる花びら。

 拾って、じっくり眺める。もうこれからは、こういうものは必要ない。

 キミの触ったもの、使ったもの、全部いらない。

 

 これからは、私はキミの彼女になれるんだから。

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