第6話本当の気持ち

「ちょ、、、ファウスト?どういうこと?」


あたしは止まっているアスカを見ながら言った。


「サーヤの魔法が暴走してミリスの気持ちに反応してこうなったんだ。ただそれだけだ。」


「サーヤとパトラは?!」


「魔法使い界へ瞬間移動した。ミリス。もう十分だろう?アスカの気持ちはお前にはない。」


だって、、、。


そんなこと言われたって。


アスカの本当の気持ちは、、、?


あたしにはない、、、。


「来るんだ!ミリス!」


ピカっと光ってあたしは光りに包まれた。


気づいたら魔女の前にいた。


薄暗い洞窟の中。


「おやおや。お前さんかい?それに珍しいお客さんじゃのう。」


魔女はファウストをまじまじと見る。


「こいつをユニコーンに戻してくれ。」


「ほう?それには、、、。」


「ユニコーンの羽はここにある。」


えっ?


「ほほう?これはかなり血統のいいものじゃのう?」


「どうして?どうして羽を、、、?」


「テディ様から預かった。お前の婚約者だ。」


「羽は一枚。この種と交換じゃ。」


「あたしは嫌!嫌だ!」


あたしは暴れたが、、、。


「ミリス。所詮は種族違いの恋だ。しかも相手には気がない。諦めるんだ!」


そういうと種をあたしの影に落とす。


あたしは、、、ユニコーンに戻ってしまった。



愛しいアスカ、、、。


もう会えないの?


「さっ。行くぞ!ミリス。」


ファウストは非情にもあたしを親元へ帰そうとするのだった。






「ミリス!」


家へ帰るなり怒鳴られるあたし。


「おまえって子は、、、。どこまで親不孝なんだい!!」


「とりあえず任務終了ということで。俺は失礼します。」


「あ!ファウスト!待って!あたしは、、、あたしは、、、」


ファウストは振り返ることなく去ってしまった。



アスカ、、、。



「とりあえずテディ様に会いに行くよ!」


「お母さん、、、。どうしてあたしの気持ちわかってくれないの?どうして、、、!!」


あたしは泣き出す。


「あれほど人間は恐ろしいものだと教えたのに。お前は分かっていないんだよ!」


「お金に目がくらんでいるのはお父さんとお母さんでしょ?」


あたしは反論するが、、、。


「おぉ!!ミリス!会いたかったぞ。」


え?



目の前には薄紫色のオーラを放つユニコーンがいた。


「だ、誰?」


「お前の婚約者、テディと申す。」


「!!」


あたしよりふた回りくらい年上だ。


血統はいいかもしれないが、おじさんだ。


こんなのと?


「これはこれはテディ様。今向かうところだったのですが。」


「ファウストが知らせに来てくれた。さぁ。ミリス。私の城へ。」


なんか、頭がクラクラする。


このテディってユニコーン、ロリコン?


ふざけてる!!


「さあ、ミリス。」


「触らないで!!」


近寄ってくるテディにあたしは怒鳴った。


「どうしたんだい?ミリス。」


妖艶だけど、、、どこか気持ちが悪い。


一国の王だよね?



こんなのが王だからユニコーン界はダメなんだ。






「ミリス。怖がることはないよ。さぁ、今からでも遅くない。結婚の誓いを、、、。」


え。


戻って来たばかりで?


「嫌です!!」


あたしはキッパリ言ってテディを睨む。


「もう逃しはしない。捕らえろ!」


テディの一声でお付きのユニコーンたちがあたしを無理矢理城へ連れて行った。


あたしは薬を無理矢理飲まされ意識がなくなった。




「やっと見つけたのだ。前ユニコーン王の娘ミリス。ミリスの体には紫の石が埋め込まれている。前王を殺して手に入れた力だが、まだまだ力が欲しい。ミリスの力が、、、。」


「しかし、テディ様。あまり血統のいいユニコーンには見えませんが、、、。」


「前王が隠しただけのこと。ミリスには無限の力が眠っている。」


テディは1人ほくそ笑む。


「ミリスにはこれから働いてもらわなければならない。ユニコーン界だけでなく魔法使い界や人間界をも手に入れたいからな。」




「ミリス。可愛いミリス。妖艶なその薄紫色のオーラは魔力が強い証拠。この石に封じ込めて新たな世界の為に強く生きてね。」


誰?


あたしは、、、?


薬が効いて動けない。


アスカ。


あたしの記憶はもう消えてしまったかな?


サーヤ。


酷いことされてないといいけど。




誰か助けて!


アスカ。



あたし結婚したくないよ。


誰か、、、!!




すると、、、。


ミリスの体の中から薄紫色の光が漏れ出した。


何?


「ミリス。この力はお前を守る力だよ。」



何?



誰?

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