更なる衝撃の事実

ついに佐藤君の口から明かされた今回の騒動の理由。って、まぁ、私も察していたし、恐らく相沢さんとかも察していたとは思うから、きっと西園寺さんも……


「結婚を迫って……?私が出した条件……?何の話ですか……?」


全然分かっていなかったぁ!!?嘘でしょ!?西園寺さんって察しがいい人だから佐藤君の気持ちに気づいてるものだと思っていたけど……まさか……全く気づいてない……?


「だから!僕はあれ程遥香が好きだって言ったじゃないか!?結婚もしたいって!?」


佐藤君は完全に涙目になりながらそう訴えるが、肝心の西園寺さんは……


「へ……?あんなのあなたのキャラ的な挨拶かと思ってましたよ」


全く佐藤君の想いに気づいていなかったぁ!?これはアレかな?赤の他人から好意をぶつけられまくったせいで、身内に近い幼馴染の好意に気づけなかったというやつかな?


「やっぱりか……前からそうだとは思っていたけど……それこそ幼稚園の時から求愛していたのに、全然気づいてない感じがしたし……」


幼稚園の頃からって……佐藤君が話した西園寺さんへの告白歴史を聞くと……


佐藤君幼稚園時代……


「はるか!ぼくとけっこんしよう!」


「はいはい。私と同じ私立の小学校に入れたら考えてあげます(言われ慣れ過ぎて完全スルーしている)」


佐藤君小学校時代……


「遥香!同じ小学校に入学出来たよ!だから!僕と結婚しよう!」


「はいはい。あなたが私と同じ中学に入ったら考えます(この頃から先生を堕とす計画を練っているのであまり聞いていない)」


佐藤君中学生時代……


「遥香!同じ中学に入学出来たよ!だから!僕と結婚しよう!」


「はいはい。あなたが私と同じ高校に入ったら考えてあげます(計画の精度を上げる為にあまり聞いていない)」


佐藤君高校時代……


「遥香!同じ高校に入学出来たよ!だから!僕と結婚しよう!」


「はいはい。あなたがこの高校の女子の大半から告白されるような人物になったら考えます(先生を舐め回すように観察している為、全く聞いていない)」




「遥香が言われた条件を何度も何度もクリアした……今だってクラスの女子の大半どころか、私に告白してないのは遥香と桔梗だけな状態になってる……なのに……!なのに……!!そんな頑張ってきた僕じゃなくて結婚相手がこんな地味デブおばさんで納得出来るはずないだろッ!!!!」


なんだろう……指差されて悪口言われてるのに、ムカっとこないのは……まぁ、私の悪口は全部事実(デブは若干違うと思ってるけど)だからというのもあるけど、正直、佐藤君の話を聞いてらそれはそうよね〜って気持ちが強くなった。

確か、西園寺さんが通った小学校も中学校もどれも超有名進学校だったはすだ。この私立藍那高校学校だって同様に……だから、入学する為に涙ぐましい想像に難くない。そんな努力してアプローチしたのにも関わらず、西園寺さんが最終的に結婚したのがこんな私で、しかも、酒の勢いでの過ちときたらそりゃあ納得出来ないよね……あぁ……胸の罪悪感が再びチクチクと痛み出してきた……やっぱり私とはすぐに離婚して、佐藤君と結婚した方がいいんじゃないかしら?と私は思うようになってきていた。


「やれやれ……あなたの気持ちを察せなかった私が悪いとは思いますが……あなたが本気で私を口説いてるなんて思う訳ないじゃないですか。蓮。あなたは……

















女の子なんですし……」




はい?ん?ちょっと待って……今西園寺さんなんて……


「えっ?ちょっ……西園寺さん……今、佐藤君の事……女の子って言った?」


「あら?先生。気づかなかったんですね。まぁ、男子制服が普通に似合うから気づかないのも無理ないですね。蓮は正真正銘の女の子です。だから、理央とはの間柄になりますね」


西園寺さんから聞かさせた衝撃の事実に、私は開いた口が塞がらず、しばし呆然と立ち尽くした……

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