3章 勘違い
1 - 保立さんの応援
―――お昼。
僕は朝比奈さんから校舎裏に呼び出され、早めにご飯を食べ終え教室を後にした。
そういえば、母さんからの弁当いつもの茶色弁当と違って今日は全体桜色だったな。まぁ入学式だったし母さんも浮かれているのかな。
そんなことを考えながら僕は歩みを進めていると、廊下階段の保立さんが立っているのがみえる。きょろきょろと周りを見渡しているところ誰かを待っている様子だ。
せっかく声をかけてくれた女子だ。僕は少し勇気を出して声を出してみた。
「や、やぁ保立さん。誰か待っているの?」
「あっ!まなくん!うん、葛原まってる~。まなくんは今からみゆみゆのとこに行くの?」
葛原?知らない名前だな、それもそのはずか…だってこの学校には僕の知ってる人は限りなく…とこれは最初に話したので省こう。
「あ、あぁ。今からな…何言われるか少しドキドキしてるけど…。保立さんは朝比奈さんと仲がいいみたいだけど
「餡李でいいよ!うん、そうだよ~。みゆみゆとは中一からずっと同じクラスで仲良くなったの~!でもまなくん、そんなにビビらなくてもいいと思うよ?あれでもみゆみゆさっき照れてたし~。」
「えっ?」
どうやら保立さんによると横から見えていた朝比奈さんの耳は睨んでいた顔に似合わず真っ赤だったらしい。少なからずも意識していたということを僕は耳にし少し照れながら心の中で喜ぶ。起こっていながらも照れているなんてとてもかわいい人じゃないか。
そんな会話を保立さんとしていると上から背の高くガタイもそれなりに良い男子生徒が階段から下りてきた。
「あっ!葛原~!じゃあまなくん私いくね~さっきの話本当だから少しは期待してもいいかも~…よっ!!」
階段の方を向きながらそう言い、保立さんは少し強い力で僕の背中を
「うわっ!お、おう、ほだ…あ、餡李、ぁ…ありがとう…。」
最後少し小さい声になってしまったが餡李にはちゃんと聞こえてたらしく、餡李はニコッと微笑み“がんばれ~”と手を振りながら葛原という男子生徒と何か話しながら階段を上がっていった。
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