俺の彼女が俺より数倍男らしい件について

仲仁へび(旧:離久)

第1話 坂月ミツキの外見



 俺には彼女がいる。

 名まえは坂月ミツキ。


 名まえだけを見れば可愛らしいんだが、でもとっても男らしいのだ。

 どこがどう男らしいかと言うと、まずは全体的に男らしいな。


 外見が男性にしか見えない。


 髪は短い。スカートははかないし、ずっとズボン。


 まあ、これだけだったら、女の子にもいるよな。

 女の子でもショートカットの可愛い子はいるし、ズボンをはいてる子もいる。


 けど、俺の彼女はそれだけじゃないんだ。


 なんと、虎柄のジャンパーを着てる。


 え、何それヤンキー?


 そう思うでしょ?

 いやいや、そういう先入観はいかんけどね。

 虎柄が好きな普通な子もいると思うし?

 かなり少数派だろうけど。

 人の好みって色々じゃん。


 一般的な観点からみると、女子が虎柄のジャンパーを着ていると、「あ、この人行動派っぽいな、主張派なんだな」とは思うけど。


 ともかく。

 まだまだ、かろうじてここまでは良いんだ。


 けど、な。その先がアレなんだよな。


「なあ、そのハチマキどうにか何ねぇんすか?」

「あ?」


 こらこら、ミツキちゃん。

 女の子が「あ?」とか言っちゃいけません。


 俺の言葉に振り向いた彼女は、額に「滅殺・破滅・全滅」と書かれていた。


 俺の彼女の外見が、殺意高すぎる。


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