第10話スラム街の大親分
あの日から俺達はジェイルエルダーを狩りまくった。
ジェイルエルダーとの戦闘はとても簡単で群れる習性も無かった為、出会う魔物の数はほぼ一体から三体までに収まった。
一度だけ視覚外から魔法を真面に食らってしまって、肩に結構な火傷を負ってしまったが重症と言うほどでもなかった。
その時に飲んだポーションも、中級回復ポーション回復量1200、待ち時間1.2時間の物で全回復する程度だった。
俺は魔法の国の人間と比べても知識が高いし。
あとで調べて貰ったが、父さんから貰ったこの装備にも抵抗はちゃんと付いていた。
まあ普通はもっとダメージを負うのだろう。
この国の人間と比べても知識が1・3倍くらいあるからな。
そんな危険の少ない簡単なお仕事だったので今回俺は経験値を一切レベルに振らず貯めぬいた。
そして今あれから二カ月が過ぎようとしていた。
おそらく4レベル分くらいだろうか。一億と二千万まで経験値が貯まった。
そしてようやく最上級回復魔法がグレーから変わり取ろうと思えば取れる様になったのだ。
まさか経験値一億もかかるとは思いもよらなかった。だがよく考えてみると
これでも十分早いのでは無いかと思う。
俺は色々常識が備わっていくにつれて考えが甘かったと言う事を思い知ったのだ。
もしかしたら修練で一億分の経験を積まないと覚えられない物なのかもしれない。
どういう計算になるかはわからないが魔物を狩るよりは大変だろうと思う。
これは想像だが、丸一日頑張っても10000くらい稼げればいい方なのではと思うのだ。
となると、取れるかどうか確信の得られない物に27年間永遠と毎日
修行し続けなければいけない訳だ。相当なお金持ちで狂ったお方で無いと厳しい。
まあこれはただの妄想だが使える者がいない現実を考えるとあながち間違ってもいなそうだと感じる。
そんな答えの得られない妄想はさておき、俺は今アデルに内緒でポチッとなをしていい物かと悩んでいる。アデルは負い目に感じたりはしないだろうか?
他に理由があれば何も考える事は無いのだが……早くアデルを治してやりたい。
やっとお金の問題が解決……と言うか大金持ちになってゆとりが出来たのだ。
そうそう、結局1万キロを超えてももう少し蓄えたいと言われ一万三千キロまで買い取ってもらって当面の間は買い取り不可となりその一万三千キロはすべて大銀貨6枚で買い取ってもらえたのだ
俺達は金貨で7800枚、前世で言う所の七億八千万円を手に入れたのだ。
今その使い道の模索もしている。
有力候補はオリハルコンで全身装備を作ると言う事くらいだが、そうなるとまだ足りないそうだ。オリハルコン恐るべし。
まあ黒貨というコイン一枚で100万円相当だからな、当然か製作費もあるし。
アデルと相談して金貨7500枚は取っておこうと言う話に落ち着き、金貨50枚ずつが当面のお小遣い200枚は家具等の代金に充てる事になった。
格式などを求めていない俺たちが、こんな金額を決めても絶対に余るだろうけど。
そして俺達は今日、久々の休日を迎える事になったのだ。
何故かと言うと今まで休みなど一日も無かったからだ。
平日はレベル上げ、休みの日はギルドで生活費稼ぎの日々が続いていたおかげで……
「フェル様、本当に私が金貨50枚も頂いてよろしいのでしょうか?」
「良いに決まってる。
俺の従者じゃ無かったら金貨3900枚はお前の物だったんだぞ。
ふはは、残念だったな」
あまりに少ない報酬で遠慮していたので、現実というものを突き付けてやった。
「ふふっ、お金なんかで誇りを捨てる程、愚かでは無いですよ」
そんな埃落としてしまいなさい。とか冗談でも言ったら怒るだろうから止めておこう。
うん、今日は休日。つまらなくなりそうな事はすべてスルーしよう。
「さて、今日はどうする? 休日だし別行動でもしてみるか?」
と、却下される事は分かっていながらも一応、と聞いてみる。
「よろしいのですか? 私は護衛でもあるんですよ?」
あれ……?
どうやら彼女は俺と別行動を望んでいる様だ。
まあアデルの事だ、俺の為にこっそりやっておきたい事とかあるのだろう。
何しろ俺にならどうされてもいいらしいからな。
ふふん、と調子に乗り返事を返す。
「もちろん、いいぞ。何かやりたい事でもあるのか?」
「はい、出来れば休日は毎回、お暇を貰えるとうれしいです」
な、なんだってー……ぐぬぬ、ここまできて引けないが気になる。
「分かった。じゃあまた夜にな」
「はい、行ってまいります」
うう、俺の意気地なし。せめて何をするのかくらいは聞こうよ……
いや、アデルを信じるんだ……いや、待てよ。
あれだけ信じられるアデルにそんな心配をしてどうすんだ。
ああ、考えてみたら心配する必要無かった。
「さて、俺はどうすっかなぁー」と独り言を呟きぶらぶらと散策をしていると寂れた場所に入ってしまった。これはあれだ。貧民街とスラム街とか言われる場所だ。
辺りを見回しながら歩いて行くと、場に合わぬ立派な服を着た厳ついが、義理堅そうな昔ながらの親分ぽい外見の人が声を掛けて来た。
「これはこれは、この町を救って頂いた英雄様ではありませんか。
この様な場所に来られるとは、どの様なご用件で?
わたくしめでよろしければご案内して差し上げる事が出来ますが」
お前は誰と勘違いをしてるんだ……この町を救った覚えなどないぞ。
「どなたと勘違いしているのかは分かりませんが、おそらく人違いでしょう。
私は散策をしてる間に迷い込んだようなもので当てがあるわけではありませんよ。
ですが気になりますね、どなただと思われたのでしょう?」
と、どうせ暇なので話を振ってみた。
「そうですか。てっきり私は寂れたこの町にジェイルエルダーの骨という富をもたらしてくれたお方だとばかり……」
「ああ、確かにそれは私の事でした。ですが救ったとは言いすぎでしょう」
うん、確かに売ったけどさ。流石に英雄は無いんじゃないかな?
「いえ、この町は日用魔道具の職人により成り立っているのです。
生活が厳しくなった職人たちがギルドと諍いを起こす寸前でした。
最初にお売りになられた183キロは歴史学者がこの町の歴史の一説に残したそうですよ」
「そんなことが……知りませんでした」
マジか。それでギルドマスターはあんなに下手に出ていたのか……
おおう、俺の伝説の歴史がまた一ページ……
いやこういう思考はもう止めようかな。
アデルの前だとついつい出ちゃうし……
「国が動いてくれていればもっと早く収まったのでしょうが、今は国の中央は起こるかもしれない戦争の準備で大慌てでしょうからね」
むむ、この人はお偉いさんか何かか?
かなり物知りだなもっと情報下さい。
「なるほど、人族は何をしたいのでしょうかね。
獣人国にも火種を振り撒いていると聞きますし……
もしかしてこの大陸を征服する気なのでしょうか?」
「おお、その話は本当なのでしょうか。
だとすると戦争は回避されるかもしれませんね。
戦争するメリットはあちらの方がよさそうですし……」
おいおい、俺はその国の王子なんだが?
言わないけど……
「仮に獣人と人族が戦争になっても、あの野蛮な人族ですよ。
おそらく先送りになるだけでしょう」
「ふむ、貴方とは色々話をさせて頂きたいですな。
申し遅れましたが私は、このスラムの顔をしておりますジャスタスと申します」
と、彼は仰々しく立ったままの相手に敬意を示す礼をする。
正直似合わないぞと思ったが口には出せない。
「これはご丁寧に……
私はご存知かもしれませんが冒険者で名をフェルディナンドと申します」
「ふむ、私の予想通り貴族の嗜みを学ばれている様ですが。分かりませんな。
これほどの能力と知性がある方ならば、私の耳にも届いていると思うのですが……
宜しければお尋ねしてもいいですかな?」
そうか、ギルドみたく詮索はマナー違反ってのは無いのか。
多少の失礼にはなるだろうが、根掘り葉掘りでも無く下手に尋ねているのだ。
問題にするほどでは無いだろう。
「ええと、それくらいなら構いませんが、ご期待には沿えませんよ。
私は貴族の生まれではありませんから。
たまたま学ぶ機会があったと言うだけの話です」
そう、俺は貴族の生まれではない。王族だ、ドヤァ!
「そうでしたか、ではお気を付けください。
それ位のレベルからは強引な勧誘や引き抜きなどを行おうとする貴族様が出始めますので」
この人は本当にお礼を言いたかっただけなのだろうか……
割と親切な人だな。外見とは裏腹に……
「はは、レベルまでご存知なのですね。
スラム街とはもっと粗野なイメージでしたが、粗野なのは私の方でしたね」
「ははは、何を仰いますか。
その若さでここまで話したいと思わせた御仁はあなたが初めてですよ。
今でも理解しがたいものがあるくらいです」
「いいえ、大人が持つような情報量は持ち合わせておりませんよ。
その為の散策、そしてここに居る訳です」
と、俺は深く考えていた訳でも無いのに口八丁を出してみた。
だが、面白いなこのおじさん。博識だし人望もありそうな感じだ。
そしてなおかつスラムの親分だ。もうちょっと暇つぶしに付き合って貰おう。
「では、改めて問わせてもらいましょう。
宜しければご案内させて頂きますが、いかがでしょうか?」
「では、お願いします。お店やここの名物など見て回れたらと思います」
「了解しました。ではぼちぼち参りましょうか」
と、ジャスタスさんと俺は戦争の情勢を語り合いながら歩を進めた。
そして掘っ立て小屋に立つ厳つい親父の所に来て立ち止まる。
「こいつは両替商です。と言っても正規の物と違い手数料を大分取られます。
まあ割合は相手によって変動するので、利用する場合私の名前を出して頂ければ余り取られずに済むでしょう」
「おやっさん、目の前で紹介しておいてそりゃないぜ。客を覚えるのは仕事だぜ?」
と、いかつい親父が親分に頭を下げている。
よし、機会があったら俺もおやっさんと呼んでみよう。だが怖い。
「ええと、要するに汚れたお金を交換する場所と言う事でしょうか?」
そうジャスタスさんに問うと「流石、理解がお早い」と言い、店の親父に「すげえだろ?」と問う。
「おいガキ、俺の店のお金は汚れてねーよ」
「はぁ、お前自分の仕事の事も良く分かってねーでやってんのか?」
「俺の仕事は客の顔を覚えて、どんだけ取っていいか図る事だぜ。おやっさん」
店の親父はフンと鼻をならし自慢げに言い切った。
「さて、次に参りましょうか」と話を切り上げ店の親父には一言もかけず、そのまま移動した。
「お次はここですな」
ジャスタスさんはあばら家が並ぶ場所で立ち止まった。
すると一人の女性が出てきてジャスタスさんに話しかける
「あ、やっぱりジャス爺じゃない。こんなところにどうしたの?
もしかして、とうとう私を買いたくなっちゃった?」
と、女性はしなを作りスカートをたくし上げ誘惑する様なポーズを取った。
「その元気は客が来た時にとっておけよ」
女性は『もう、釣れないわねぇ』とつぶやきながら家の中へと戻っていく。
「もうお分かりでしょうが、ここは女を一日買う所です」
「なるほど。
ですが少し無理してでも外見を衛生的にした方が客層が広がるかもしれませんね。
これでは不衛生で心配だ」
「お、私もそう思うのですが、家の改装は値が張るんですよ」
「まあ、男は女性の質が良ければ割と関係無いかもしれませんね。ははは」
「ははは、やはり面白いお方だ、ここを見せて引かれるようなら
ここで終了のつもりだったのですが、是非私の所も見て行って下され」
良く分からんが御眼鏡に適った様だ。
毒を食らわばの精神でこのまま行ってみよう、と言うか行ってみたい。
次はなんだ? と付いて行くこと15分。
割とでかい建物が立っていた。
誘われるままに中に入っていき驚かされた。
そこには小学校があったのだ。
教室は二つだけの様だが、一クラス20人程度だろうか?
年老いたおじいさんが本を片手に授業を行っていて、皆机に座り教科書などは無いが挙手で質問をしたり、一人復唱をしていたりと至って真面目に授業を受けていた。
だが何故ここに連れてくるのを試してからにしたのだろうか?
と、良く見てみると机には値札が付いていた。
どこかしらにはあるとは思っていたし普通に思い描くとおりの光景を見せて貰えれば余り忌避感は持たされなかっただろうがアットホームな環境を見せられたからだろうか?
ものすっごい引いた。ドン引きだ。
何故だろう牢屋から出された方がすんなり納得出来たと思ってしまう。
自己嫌悪にもやられそうだ。
「ああ、流石に引かれてしまいましたか。申し訳ない」
「いえ、望んで来たのです。お構いなく」
と、微妙な空気が流れる学生達がこちらに気が付き騒ぎ出す。
「ごはん? ごはんの時間~?」
「まだはやいよー」
「え? ごはん? ごはんが来たの?」
「まってたよー今日のごはん」
「「「「「「せーのっ今日もごはんをありがとう」」」」」」
と、児童たちは一斉に声を上げた。
「ちげーよ、まだ早いだろうが、それと俺はご飯じゃねぇ。
ジャスタスさんと呼べと言ってるだろうが、このクソガキども」
子供たちはきゃっきゃと騒いでいる。恐ろしく無いのだろうか?
と、考えていると忌避感が薄れ始め気持ちが落ち着いてきた。
「じゃあ、ご主人様?」
「じゃあすたすご主人様?」
「ちがうよ、私たちを買ってくれる人だよ」
「でもさ、あのお兄ちゃんも子供だから仲間じゃないかな?」
「あ~そうかもーじゃあこっちこっちー」
と、俺は引っ張られる。あの中に入れてくれるそうだ。
「おいおい、お前ら待てこれ以上は俺も怒るぞ。どうなるか分かってるな?」
ジャスタスさんは最後の部分だけドスのきいた声でそう告げた。
子供たちはどんよりして、俺の手を放した。
だがそんな事より俺は、子供たちがどうなってしまうのかが心配だった。
「ジャスタスさん、私は気にしていませんからどうか穏便に」
「よかったな、お前ら今日だけはご飯抜きは勘弁してやる」
と、その声と共に子供たちはわーっと騒ぎ出す。
その声は緊張感の欠片もなく『あー、あぶなかったぁ』『ご飯抜きはやだもんねぇ』と陽気な声で言葉を交わしていた。
「あ、え? ご飯抜き? 俺はてっきり……」
「ははは、私はあいつらを殴ったりしませんよ」
「また、私は考え方を変えなきゃならない様ですね」
「いや、ここが特殊なのですよ。
一般の奴隷はおそらく貴方が思った通りの扱いを受けている事でしょう。
人族においては想像の範囲を軽く超えると思います。
私が目の当たりにした時、比喩で無く実際に吐きましたから」
なるほど。
ここが特殊なのは納得したが、見ただけで吐いてしまう程か……
「そうですか。良いお話でしたのでそれは少し残念です」
「まあ、私が奴隷だったと言う事もあるでしょう。
そして何より私の主人は優しく育てても能力は伸ばせると、命令権があるのだから暴力を働くのはただの無能、と考えるお方でしてね。
そのお陰で私もその影響を受けてしまいまして、今の形に落ち着きました」
「互いが幸せになれる関係なら奴隷と言うのも悪く無いのかも……」
と、俺はまた思考が漏れてしまっていた。色々安堵したからだろうか?
気が抜けていたのかもしれない……
「おお、貴方になら安心してお売り出来ます。
必要になった時はいつでも声を掛けて下さい。
いや、気に入った者がいれば今すぐにでも」
む、本格的に考えている訳では無いんだが……
「いえ、私は毎日狩りに出る冒険者ですよ。
定住ではありませんし、死なせてしまう可能性も多分にあるのです。
自分で言うのもなんですが私に勧めるのは止めておいた方がいいと思います」
「もし、私の気持ちを酌んでくださっているのならそれは考え違いですぞ。
私としては、せめて真面な者が買ってくれたらと勝手に思ってはいますが、そこからはどうなろうとも本人の行動次第でその者の人生は進んでいくのです。
私が考える事ではありますまい」
ん~ダメだ、今は考えちゃイケない。まずはアデルに相談だ。
「そうですか。
私も一人で住んでいる訳では無いですし、少し考えてさせて頂きます」
と、話を〆た。子供たちがガン見しているのだ。
おそらく昼食を待っているのだろう。
「そうですか。今日はとても有意義でした。またお越しいただけますかな?」
「ええ、どちらにせよお伺いしたく思います。とてもお世話になりました。
今度は手土産を持って遊びに来させて頂きますよ」
「最後に一つ、年齢をお尋ねしても?」
「今年で10歳です。では……」と頭を軽く下げその場を後にした。
俺はその後、何故か落ち着かず気を紛らわす為に狩りに出た。
悲しいかな毎日欠かさずやっていたせいで、何もしていないと仕事をさぼっている様な感覚に襲われる時があるのだ。
まあ今回もそれだろうと思いながらいつもの狩場についた。
ジェイルエルダーはもう手慣れたもので一人でも十分安全にやれる。
だから心置きなく狩りをしていると何故かアデルとばったり会った。
「フェル……様……?」
「よう、何もしていないと落ち着かなくてな、お前もか?」
アデルもやりたい事が終わって手持無沙汰でここに来たと思い質問してみた。
「いえ、私は朝からここで狩りをしてました」
「ん? もうこれお金にはならないよ?」
可笑しいな。アデルもその事は知ってるはずなのだけど……
「知ってますよ。それにもうお金には困ってないじゃないですか」
「じゃあ、せっかくの休日をわざわざ別行動してまでここに狩りに来た理由はなんなんだ?」
まじで疑問だ。飽きる程やっただろう?
そこまで好きなのか?
「フェル様と共に戦い続けるには私はフェル様の20レベルくらい上に居なければ難しいですからね。
その為に必要な別行動です」
「ああ、じゃあ俺が狩りしちゃダメだな。
じゃっ、俺帰るわ」
と、そそくさと俺は町へ向かった。
アデルは『えっ……? あっ……』っと
何か言いたそうだったが聞こえなかった事にした。
そして俺は家に着いた時ステータス画面をだしポチッと最上級回復魔法『フルヒーリング』を取得した。
自分の肩にある火傷の傷跡を見ながらフルヒーリングを唱えてみた。
色々異常だった、まず消費MP3000、詠唱は呪文名を唱えるだけ。
傷跡は時間が戻るかのように治っていった。
今の俺でも二回が限度かよ。まあ他の呪文が使えない今なら良いだろう。
そこまで食らう所で狩りをするべきじゃない。
ポーションを入れて三回までなら大きなダメージを食らっても大丈夫という事だし。
次に詠唱いらずか。最強でしょ。
完全回復詠唱いらず。
絶対死ぬと思われる致命傷でも生きている状態でかければ完全復活するわけでしょ?
そして即発動……完璧じゃん。
そして分かってはいたけれどやっぱり傷跡も治った。
もしかしたら一度えぐったりとかしなければいけないかもとか思っていたので好都合だった。
よし、この利点を力説し俺の美肌も守られたと言えばアデルも納得する……訳ないよね。んー何かもう一声ほしい。
ああ、言い方を変えよう。
相手を問わず必ず死ぬと思われる状態からでも即死でなければ復活出来るのだ。
それに思っていたより消費は少なかった。テレポートや攻撃魔法もこれなら取れそうだ。と伝えてやればいいじゃないか。
そうして横になってアデルの帰りを今か今かと待っているうちに俺はいつも通り寝てしまっていた。
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