第34話 後悔④(by西川 憲)

 僕のお姉ちゃんは変わってしまった。

 その変化は僕の望んでいた変化だったのだが、何故か僕の心はそれを素直に受け入れることができなかった。

 

 「それでね。お母さん…」


 「そうだったの。よかったわねー」


 三人で食べる夕食。

 部屋に響くお姉ちゃんとお母さんの笑い声。

 この光景は僕が見たかったはずの光景なのにこのモヤモヤが晴れる事はなかった。


 「憲。どうしたの黙り込んで」


 お姉ちゃんが心配して声をかけてくれた。

 前までのお姉ちゃんからそんな心配される事なんてなかった。


 「ご馳走様でした」

 

 僕は食器をそさくさと片付け、すぐに自分の部屋にこもった。


 あんなにもお姉ちゃんと喋りたくて様々な努力をした僕だったが、今のお姉ちゃんとは喋りたくない。

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