第22話 消えたい理由④

 「それってどうゆう意味?」


 西川さんがこっちを見つめながら俺に尋ねる。

 

 「いやー。だからあれだよ。あれ」


 どうしよう。少し前の自分を殴りたい気分だ。

 カッコつけてあんな事を言わらければ…。

 必死に言い訳を考えた。その時、兄貴の言葉を思い出した。


 「脳ある鷹は爪を隠すって意味だよ」


 どうだ。


 「えっと。じゃあ私は綺麗だけどそれを隠して透明って意味?」


 「そうだよ!」


 「そうなんだ」

 

 西川さんは納得してなさそうだ。早々にこの話は切り上げないと。


 「西川さん。ちょっと来て欲しい所があるんだけど」


 俺は強引に話を終わらせ、西川さんを家から連れ出した。

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