第21話 見つかりたくない③

 クローゼットが開かなくなって数分。

 西川さんに話かけるも何も答えてくれなかった。

 

 「それで憲に部屋の様子を見て欲しいって言われてこんな事になるとは。色々とごめん」


 俺は西川さんとは反対方向を向いて謝った。

 西川さんは今下着姿。だから、見ないように俺は壁と会話しているような形になった。


 「…わ、私の方こそ、ご、ごめんなさい。そのデートの日何も言わずに行かなくて」


 「いや、西川さんが嫌だったのに誘ってごめん」


 「「…………」」


 2人で謝り合って話す事がもう無くなってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る