第5話 新キャラ出てきちゃうよ
平日の朝、憎たらしい月曜日の朝、琢磨は同じ高校の女生徒二人に囲まれながら登校していた。
「琢磨せんぱーい、お久しぶりです!」
「いや久しぶりって二日しか経ってないぞ
その女生徒の一人 小波
髪型はセミロングで、遺伝なのか髪色は中学校の頃から少し茶色が混じった黒髪だ。
琢磨とは中学校の部活動で知り合い、現在琢磨と同じ
部活の事や勉学の事などで度々相談などに乗る、いわば妹の様な存在だ。
「おはよう鈴木君、土日はゆっくり休めた? 」
「あ、おはようございます岡野先輩。土日はちょっと忙しかったですね......」
女生徒二人目の 岡野
日によって良く髪型変えているが、今日は触覚付きのポニーテールだ。
一年前、岡野が働いていたビデオレンタル屋に琢磨が入ってきて知り合い、
後に同じ高校の先輩だということを知った。
バイト先の事などを気兼ねなく相談できる姉的存在だが、天然が入っているせいか岡野のアドバイスはあまりあてにならない事が多い。
「え~琢磨先輩もしかして私達に内緒で、彼女さんとデートでもしたんですか~? 」
「え、そうなの鈴木君? 」
「い、いや別に彼女ってわけじゃ......」
「はっ!? 」
「えっ?! 」
「え、今僕まずい事言いました? てか驚きすぎですよね? 」
「センパイトデート、ワタシユルサナイ」
「おーい小波大丈夫かー? 戻ってきてー? 」
「私に内緒で彼女さんとデートだなんて、私ショックだな。」
「お、岡野先輩ちょっと怒ってる? ていうかそもそも彼女じゃないから! 」
と月曜日の朝だとは感じさせない程、ほんわか(琢磨にとっては)している会話が繰り広げられていた。
「それじゃあ小波も先輩もまた放課後に」
「はい! 放課後までに色々と詰問を考えておきます! 」
「や、やめて......」
「私は彼女さんをなんとか特定して顔写真を出会い系サイトに......」
「駄目だよ!? てかもうキャラ崩壊してない!? 」
と精神攻撃を仕掛けている二人と、その攻撃を受けている張本人の琢磨は、
毎日授業が終わると放課後にある名目で集まっていた。
その名目とは『ゲーム同好会』だ。
ゲームを色々な面から研究するというのがテーマなのだが......
実際は只々パーティーゲームをわいわいやるだけという超緩い同好会。
参加人数は琢磨、小波 唯、岡野 華 以上たったの三名だけだった。
華は、先述にもある通りレンタルビデオ屋でバイトするほどのゲーマーで、
本人によると毎週新しいゲームの情報が入ってくるそう。
唯はアクティブでゲームとはとても無縁な性格だが、なぜか同好会に所属している。
理由を本人に聞いても、いつもはぐらかされてしまうため詳しいことは未だにわかってない。
琢磨は小学生の頃から色々なジャンルのゲームをプレイする、根っからのゲーマーだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます