第9話 やっぱり魔力は0ぽい

「え、ステータスが知りたい?」


「そう!今日ツバキとステータス見ようとしたんだけど…ツバキは見れて俺は見れないんだよな」


 ルイが帰ってきたとたん俺はステータスが見たいと駄々をこねた


「なー俺も自分のステータス知りたいー戦いたいー」


「普通はみんな見れるけど、どうしてかな?

 魔力が少しでもあれば見れるはずなんだけど…」


 なるほど…それでか! 俺の魔力は本当に0なんだな。


「あ! 僕にはないけど、鑑定スキル持ちは人のステータスも見れるよ!」


「ほ、本当か!?」


 鑑定持ちに見てもらえば俺の能力がわかるのか!そしたら…多少は戦えるか?


「うん、まぁでも、ステータス見る必要なくない?」


「え? なんで? 俺も使える技とかあるかもじゃん? 知りたい」


「知ったとしても戦わせる気ないからね?」


 バチコンとウィンクされる。


「なんでだよ!

 ってか、俺弓矢ほしいんだけど…どこで買えるの?」


 いらないって言われるのはわかっているが、とりあえず聞いてみる。


 弓矢欲しいし、戦いたい。ただで世話になるのも嫌だ。それに、今のままだと、ヒロインに会わなくてよさそうだが、軌道修正とかで、ゴリマッチョのヒロインとか、ボコスコにリンチに合って殺られるの嫌だし。


「弓矢なんていらないと思うんだけど…このままだと勝手に行きそうだし…僕と行こうか! 明日」


「本当か! またダメって言われたら明日店探して走り回ろうと思ってたよ」


「だろうね…まぁいいよ。明日はデートだね」


「男二人だし、違うだろ。でも、ありがとうな」


「いいよ。シュヴァの頼みだし。僕、家族に対しては優しくするって決めてるから…」


 ルイの目は、寂しそうだった。そっか、こいつ家族に捨てられてるのか。だから、家族に対して執着があるのか。


「ルイは家族思いだな」


ルイは目を見開いて、驚いた顔をした。が、少しすると顔を赤くした。


「あ、ありがとう」


「うん! 家族といえば、俺の家族どうしてるかな。

 家出して1週間たったけど、心配してくれてるかな?

 それとも、せーせーしてるのかな。」


「ヴァイスの家族は僕でしょ?」


 確かに、ルイは家族のように接してくれるけど、でもやっぱりさ、違うじゃん?父も母も兄ズもついでに前の世界の家族もなんか、切れない縁と言うか、特別なんだよな。ルイには言えないけど…


「そうだな」


 そんな俺の思いを汲み取ったのか、ルイがパンっと手を叩く。


「さ、もう寝ようか」


「そうだな、おやすみ」


「おやすみ、明日のデート楽しみにしてるよ」


「デートじゃない。買出し」


「はいはい、僕は勝手に思っとくからいいよ」


 部屋に行くために立った俺の後ろでルイが、


「ごめんね」


と、呟いていたが、俺の耳には届かなかった。

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