『究極の選択』


凛「ちょっとおじいちゃん!! どういうことですか!!」


爺「おかしいの~。確かクリスマス・イヴだと思っとったんじゃが」


ママ「一ヶ月遅かったらクリスマス・イヴだったっていう話をしたからかしら?」


爺「おお、おそらくそれじゃな。はっはっは!」


凛「はっはっは、じゃない!!」


ママ「何はともあれ、今日はあなたと王ちゃんの誕生日。私からも誕生日プレゼント、あ・げ・る♪ チュッ」


凛「す、すると思いました……というか誕生日じゃなくてもしますよネ」


ママ「だって我慢出来ないんだもの♪ 私のもとに生まれてきてくれてありがとう、凛ちゃん」


凛「いえ、こちらこそありがとうございます」


ママ「今度デートしましょうね、ふふ♪」


凛「は、はい……(お、悪寒が……;)」




桃「…………(ちょっと今田さん! 何やってるんですか! 早く早く!)」


隼「(お、押すなよっ!)」


桃「(タイミングがなくなりますよ!)」


隼「(んなこと言われても心の準備がっ……)」


桃「(なに乙女みたいなこと言ってるんですか!! ほらほらほら!!)」


隼「(ちょ、待っ──!)」




凛「……? 二人で何コソコソしてるんですか?」


桃「今田さんが、凛さんに言いたいことがあるみたいですよ!」


凛「え?」


隼「あ、いやっ、その……; ──た、誕生日……おめでとう……」


凛「Σ!」


桃「よく言えました!」


隼「うるせぇ!!」


凛「ど、どうしたんですか!? 頭でも打ったんですか!?」


隼「打ってねぇよ!!」


凛「いつもなら絶対に言ってくれなさそうなのに!!」


隼「悪かったな! 別にいいだろ、今日くらい……」


凛「よ、よよよっ……!」


桃「Σハッ! 凛さんが動揺してる!?」


凛「してません!!」


隼「…………。誕生日プレゼント……何にしようか考えたんだけどよ……いいもん浮かばなくて……」


凛「そんなものいりませんよ」


隼「何でも一つだけ言うこと聞いてやる券、でも?」


凛「ほしい!!」


隼「ガクッ!;」


凛「いいんですか!? 何でもいいんですか!?」


隼「じょ、常識の範囲内ならな」


凛「じゃあ! 〝私の代わりにママとデートする〟のと、〝私の代わりにマッケンさんの実験台になる〟のとだったら、どっちがいいですか!?」


隼「どっちも嫌だよっ!!」


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