第8話》おばあちゃんにお届け物です

 さて、おばあさんの家はどっちだ?


 「ここマップで見れる?」


 『はい。使えます』


 「マップ」


 俺は右手をキツネの形にして唱えた。おばあさんのお家は、ずっと右奥だ。俺は、そこへ一直線に目指す。


 「シールド! マジックシールド!」


 これで二重にシールドがかかった。うっすらと幕があるように見える。

 サイコロが振られると、一角兎が出現。今回は無視だ。攻撃を受けるもHPは減っていない。大丈夫そうだ。


 「なあ、このシールドが消えそうになったら掛け直せる?」


 『いえ、できません。別に展開する事になるので、消滅してからになります。ただ任意に解除できます。最初に解除と言ってからシールドと言えば、シールドは解除されます』


 「なるほど。そう言う手もありだな」


 破壊されそうになったら、壊される前に解除して直ぐに張り直せばいい。

 って、橋がある。そこの前に熊のモンスターが塞いでいる!


 「えーい! じゃま! コールド!」


 モンスターは、一発で消滅。


 ――敵を倒して、経験値1を取得しました。

 ――ダイス3で、魔法の石を取得しました。


 魔法の石ってなんだ? まあそれは後で聞こう。

 思ったけど、一発で倒れるんだから攻撃して前の敵を倒して行った方がお得じゃないか?

 そういう事で次々とモンスターをなぎ倒して行った。稼いだ経験値は20。まだまだレベルが上がるのには遠いなぁ。

 アイテムはHP回復の実が3つ。

 もうそろそろ、おばあちゃん家に着く。余裕だったな。


 「はい。ゴール」


 俺は、ドアを開け中に入った。


 「おや、ありがとうね」


 おばあちゃんは、ぴんぴんしていた。椅子に座りにっこりとこっちにほほ笑んでいる。


 「はい。お駄賃」


 カゴを渡すと、ダイスコインをくれた。このゲームの通貨だ。


 ――クリアおめとうございます。ステージクリア報酬で、100ダイスコインを取得しました。

 ――12分13秒でゴールです。30分以内にクリアできましたので、ダイスを三回振れます。

 ――ダイス1で、経験値1を取得しました。

 ――ダイス3で、HP回復の実を取得しました。

 ――ダイス5で、力の実を取得しました。


 自動になっていたので、ダイスが振られアイテムをゲット。


 「力の実って、攻撃力が上がるの?」


 『はい。使うとダイスの目の分増えます』


 そこにもサイコロを使うのか。

 ちょっとやってみるかな。


 ――力の実を使いますか?


 「はい」


 ――ダイス1で、攻撃力が1上がりました。


 四面ダイスが振られ、結果は1。まあそんなもんだろう。

 さて、帰るかな。


 「ドアから出ればいいのか?」


 『はい。そうすると村に戻ります』


 ドアからでると、ナビが言う通り村に戻った。

 さて、二週目行くかな。今度は、全部の敵を倒して行くか。


 二週目は、時間を気にしないで経験値稼ぎをする事にした。

 30分程で、50体倒した。


 「ふう。もうそろそろいいかな。なんか飽きた」


 手も疲れた気がする。

 って、いうか、どれを倒しても1っておかしくないか?


 「なあ、どうして皆、同じ経験値なわけ?」


 『敵のレベルが1だからです。同じ敵でもレベルが上がると経験値も上がります』


 そういう事だったのか!

 もしレベル2以上も一発で倒せるなら、そっちで戦闘したいな。


 「レベルが高いモンスターってどこにいるの?」


 『一番近くとなると、ここですね。3週目と4週目はレベル2の敵になります。5週目からは、毎回上がっていきます』


 何度もクリアさせない設定か。というか、せめて2週目で結果を出さないと時間を短くするなんて無理だな。

 じゃとっとクリアして、3週目に挑戦だ!

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