第38話【二日目】
ふらふらと自分の部屋に戻るピーマン。
「お、 おかえりなさい、 ピーマン様、 大丈夫でしたか?」
カラシナがピーマンを出迎える。
「畜生め・・・何で俺の代わりにパプリカがフィッシュ帝国に行くって話で
あんなに長々と時間をかけてややこしく話をするんだ・・・意味が分からん」
「御疲れ様です・・・」
ばたり、 とベッドに倒れ込むピーマン。
「Zzz・・・Zzz・・・」
「・・・お疲れ様でした」
カラシナは寝ているピーマンを着替えさせて寝かせた。
そしてピーマンが朝に目を覚ました。
「ん・・・うーん・・・良い目覚めだな・・・まるで丸一日眠っていた様だ」
「ん・・・ピーマン様、 目が覚められましたか?」
カラシナも起きる。
「あぁ、 何だかスッキリとした目覚めだ、 腹も減ったし食事にでもするか」
「えぇ、 そうしましょう」
ピーマンとカラシナは朝食を食べた。
「何だか今日は何時もにもまして旨いな」
「お腹が空いているからでは無いでしょうか?」
「そうかもしれないな」
何故か今日は腹が減っていた
ナスとパプリカから物凄い激論で話し合いをしていた影響だからだろうか。
「何というか清々しい気分だな・・・」
「そうですね、 今日は私のドレスの試着ですし」
「ドレスの試着?」
ピーマンは思い出した
そう言えば結婚式にカラシナが着ていくドレスの試着が有った事を。
「・・・でもそれって明日じゃないのか?」
「ピーマン様、 気が付いていないのかもしれませんが・・・
貴方は丸一日眠っていたのですよ?」
「・・・・・はっ!? 丸一日!?」
「えぇ、 丸一日」
「何で!?」
「疲れたからじゃないでしょうか」
「・・・・・・・」
確かにパプリカとナスの話し合いで相当体力を使ったのだ、 一日ぶっ倒れても不自然ではない。
「・・・・・くっ・・・時間が無いと言うのに・・・」
「時間? 何の時間です?」
「あ、 いや・・・こちらの話だ」
一日浪費した事は放っておこう。
ここは考えを巡らせて・・・
「あの・・・それでピーマン様、 今日は私のドレスの試着ですが・・・」
「ん?」
「御一緒していただけますか?」
「・・・勿論だとも」
ピーマンはにこやかに笑った。
一日浪費してもまだ大丈夫、 まだ五日も有るんだ問題無い
そう自分に言い聞かせたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます