第24話【元気の良い令嬢】

今度は子供の頃に戻って来たピーマン。

今回は婚約者を変えてみる事にした。

今度の婚約相手はバラ侯爵令嬢である。


「初めましてピーマン殿下!! 侯爵令嬢のバラです!!」


やや太めの少女がピーマンに頭を下げる。

元気が良い少女だ、 顔は悪くは無いがミンチには劣る

しかしミンチよりも好感が持てるとピーマンは思った。


「・・・ピーマンだ」

「よろしくお願いします!! 早速ですが殿下!!

私と結婚した際に行う改革について話が有ります」

「改革?」


ピーマンは驚いた、 まだ自分達は10歳にも満たないのに

この娘はそんな先の事を考えているのかと。


「私はもっと平民達の生活が良くなればなと思っているのです!!」

「それは俺も思っている」


カラシナも民草の事を良く思っていた。

自分も思っているのだ。


「そこでもっと民の生活の質が上がる様に作物の食料自給率をもっと上げるべきだと思います」

「食料・・・何?」

「食料自給率です!!

食料自給率とは、国内の食料消費が、国産でどの程度賄えているかを示す指標です

今、 我が国では野菜等の農作物は沢山取れるのですが

食肉等は輸入の割合が大きいのです、 わが国でも酪農に力を入れるべきだと進言します

国でサポートしてやればもっと大勢の民草が働けるようになると思います」

「そ、 そうか・・・俺にはよくわからないが・・・」

「ならばもっと掻い摘んで話します!!」


その後、 延々とバラの話は続いた。

もう止めてくれ、 とピーマンは内心思った。

それから学院入学前に何度かバラと顔を合わせたが元気が良いが

話が難しい上に長く、 ピーマンにとっては苦痛な時間だったのだ。

そして学院入学当日。


「やっとこの日が来たか・・・」


ピーマンが楽しみにしているカラシナとの出会い。

カラシナを探すピーマン。


「ピーマン殿下!!」


バラがピーマンに声をかける。

ピーマンは眉を顰めるが返事をする。


「バラか・・・如何した?」

「ピーマン殿下こそ、 立ち止まって如何しました? 迷いましたか?

迷ったのなら案内しましょうか?」

「いや、 迷っている訳じゃない・・・」

「あのー・・・すみません」


カラシナが話しかけて来る。


「如何しました?」


バラが返事をする。


「私迷ってしまって・・・」

「ならば」

「あぁ、 なら私が案内しましょう」


ピーマンの言葉を遮ってカラシナを連れてバラが案内を始めた。

その後、 バラとカラシナは仲良くなった。

バラと婚約破棄? そんな事をしたらカラシナから如何思われるか

想像に難くない。


【大きなお世話END】

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