第二章二度目の十一回

第13話【金の話】

「11回やり直した感想は如何だった?」


神様が何も無い空間でピーマンが尋ねて来る。


「・・・・・何というか全部が全部最悪です、 最終的に死んでるじゃないですか」

「人間は何時か死ぬ物だ」

「それもそうですが・・・私はカラシナと結ばれたいんです」

「我儘だなぁ・・・あぁそうだ、 一つ大事な事を忘れていた」


神様がポン、 と手を鳴らした。


「お前の借金の事なんだが」

「借金?」

「やり直しの代金の金貨30枚だ

利息の発生はお前がやり直す先を確定した後から発生する事にする」

「どういう事ですか?」

「今までお前が老衰で死んだり病死するまで相当時間かかっているから

それまでの金利を含めると最早国全体でも支払い不能になる位の天文学的金額を

請求する事になる、 それは私としても良くない

だからお前がやり直す先を確定した後から金利を発生させる物とする」

「・・・・・良く分からないです」

「お前本当に馬鹿だな、 金利の発生はまだまだ先だと認識していれば良い」

「なるほど・・・」

「それじゃあ二度目の11連やりなおし行ってみるか?」

「勿論やりますよ、 だけども戻る時間の設定とか出来ないんですか?

ランダムで戻るのはとても辛いのです」

「我儘だなぁ・・・だが良いだろう

次の11連を終わる頃には新サービスでも考えよう」

「新サービスってお店ですか?」

「店では無いが金は欲しいな」

「金って・・・神様なのに金ですか?」

「神が金を欲して何が悪い!!」


ピーマンに詰め寄る神様。


「じゃあ逆に聞くが、 天国って有るだろ?」

「有りますね」

「天国には善人しか行けないだろう?」

「そうですね・・・」

「何でだと思う?」

「何で・・・って天国ってそういう場所だからでは?」

「そうだな、 天国とはそう言う所だ

誰が如何考えたって天国は悪人の居る場所では無い

では神が金を欲して何が悪い?」

「何が悪いって・・・お金を何に使うのですか?」

「お前は店で金を支払ったら何に金を使うのか一々聞くのか?」

「いや・・・そんな事は無いですが・・・」

「じゃあ聞かなくても良いよな? ハイ論破」

「いや・・・神様なんですからお金要らなくないですか?」

「しつっこいな!! 止めるか?」

「いや、 いやいやいや!! 失礼しました」

「分かれば宜しい、 じゃあまたやり直して見ようか!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る