すまん、幸せか疑問に思ったんだが

こんにちは。

世界一幸せな男、新聖啓です。

世界一可愛い親友、静別代に告白されて両想いが発覚したんだから世界一の幸せ者を名乗ったって良いだろう。

・・・だがここ最近は本当に今の俺は幸せなのかと疑問に思うことがある。

もちろん幸せな事には間違いないのだろう。

あんな天使のような恰好をした代に頻繁に抱き着かれたり、代が自分のお弁当のおかずを自分のお箸であ~んしてきたり、果ては何の脈絡もなく唐突に好きだと呟いてきたり・・・。

えっ?

それのどこに疑問を感じているのかって?

それは今説明したグイグイくる代の事を俺が完全に受け入れる事が出来ない事だ。

知っての通り俺は代の事が好きだが、それをあくまで友人関係で止めている事だ。

それは代に告白された時にも言っている。

そして何より、俺がホモだという事を知らない点だ。

つまり今の俺は自身に二重の枷をはめていると言う訳だ。

これさえ無くなれば俺は代を全開で受け入れ、何ならハネムーンにだって行く勢いだ。

そんなこんなで幸せを自ら半減して、本当の幸せに届いていないんじゃないかと最近疑問に思ってるわけで・・・。

ここまで長々とした説明文になってしまったが、簡単にまとめると・・・、


「啓❤今日も一緒に帰ろう❤」

「わかった!わかったから代!恋人つなぎはやめてくれ!」


代の猛烈ラブアタックが威力高すぎて即結婚案件!!!

えっ何なにナニ!!?

今日は恋人つなぎと来ましたか!

柔らかくてプニプニしとるなぁお前さんの指はぁ!


「啓の手・・・暖かいね///」

「うんシロ、俺の手の甲を太ももに当てるの無しな」


ぱろろろろろぉぉぉっっ!!??

ふふ、ふとと太ももがぁぁぁぁぁ!!!

代の真っ白な輝いているスベスベな太ももが俺の手の甲にぃぃぃぃぃぃ!!!??

危険だぁぁぁ!!

今の代を前の代と一緒にしてはいけない!!

ここまでするのか恋する乙女・・・いや男の娘はぁ!!!

俺の二重の枷もう壊れそうなんだけど!

このままハネムーンなんだけど!!

明るい未来設計なんだけどぉぉぉ!!!


「な、なぁ代?お前なんかキャラ変わってないか?そんなにグイグイ来なかっただろ?」

「言ったでしょ?もう気持ちを隠すこともしないし、啓と絶対付き合ってみせるって!だからこれが本当の僕!!」


マジかよ。

レベルの上限限界突破してさらに完凸したって事?

真の代さんマジパネェっす・・・。


「それよりも啓、今日この後時間ある?」

「ん?どうした急に?」

「えっとね・・・僕の弟がね、啓に会ってみたいって言ってて。」

「えっ?代の弟?」


そういえば代に弟がいる事は時折代との会話で耳にしたことがあるが、実際に会った事は無かったなぁ・・・。

何度か代の家に遊びに行った時も、不在だったみたいだしなぁ。


「どうして代の弟さんが俺に会いたがってるんだ?一度も会った事無かったはずだけど・・・」

「実はね、僕にメイクの仕方や服の着こなしを教えてくれたのは弟なんだ。」

「何?」

「だからね、僕にここまでさせた啓に会ってみたいんだって!」


なるほど。

兄に見合う男か試してやろう的な感じの奴か。

良かろう、この新聖啓が相手になって進ぜよう。

・・・と言いたい所だが、


「悪い代。今日は好君に早く帰ってくるように言われてるんだ。」

「好君って、前に会った啓の弟さん?」

「あぁ。一緒に観たい映画をレンタルしてきたらしくてな。弟さんには悪いと伝えておいてくれないか?」

「そっかぁ。うんわかった!弟には僕から伝えておくから、また今度時間があるときにね!」

「わかった、約束する!」


そう宣言したところで、分かれ道に到着。

俺は右。

代は左。

こうやって二人で会話していると分かれ道に差し掛かるのがとても速く感じるものだ。

・・・なんて思っていると、代は繋いでいた俺の手を自分の胸へと持っていく。

そして・・・、


「それじゃあ啓、今度家に来たときは僕の部屋で映画見ようね///」


そう言ってさらに俺の手をギュッと握る。



最初に言った幸せの下り全部無かった事にしていいですか?

いやそうしますね。

俺めちゃくちゃ幸せでしたぁぁぁ!!!!!

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