　猫の毛のように柔らかい髪を

　いつでも揺らめかせて

　素知らぬ振りをしているけれど

　あなたの頭の中には

　数式や化学式や英語と同じくらい

　素敵なひらめきで溢れている

　誰もが思いつかないような

　はっとするチカラで

　ひそかに作り上げる音楽が

　度肝を抜くほど素晴らしいものだと

　そんな人がこの教室にいることを

　私以外は誰も知らない

　クラスメイトの誰よりも童顔で

　ベビーなんて呼ばれているあなたの

　奏で始めた瞬間に現れる別人を

　気付くときにはかなたの人になってしまうでしょう

　私はあなたの音が好き

　歌うように踊るように切なく胸に届く

　優しいあなたの面影とは別人のように大人びた世界

　まばゆい舞台の上であなたを観る日を

　私はずっと楽しみに待っているから

　ずっとずっと待っているから

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