魔導書転生。～最強の魔導王は気がついたら古本屋で売られていた～

第8話 身体強化

　私はオリビアの能力成長【極】が規格外のスキルではないかと予想しながら、身体強化も実践してみることにした。

　魔力の上昇率がおかしいのは今は良いとして、身体強化を試そう。

　普通の人には難しい身体強化も、私は魔力操作の延長みたいなものだから得意だったりする。

　武器強化などと同じ様にオリビアの体内にある魔力を循環させ、魔力の密度をどんどん上げていく。

　魔力量の少ない人は腕だけや脚だけを身体強化して魔力の節約をしたりするが、今は魔力消費が目的なので理想的な身体強化をオリビアに体験させるべく、頑張って身体強化を完成させた。

「どう？　これが身体強化だよ。」

「凄く身体がぽかぽかする！」

「そうそう、身体強化をすると身体の代謝も劇的に上がるから身体が熱くなったりもするね。　それで身体強化のスキルは取得した？」

「うん。　身体強化【極】ってやつを取得したよ！」

「えっ？　身体強化の【極】？」

「武器強化や防具強化には【極】って無かったけど、身体強化には【極】って書いてあるよ。」

「えっと、武器強化や防具強化は魔力量によって強度が変わるだけだからスキルのランクは無いんだけど、身体強化には熟練度的なランクってのがあるんだよ。」

「熟練度？　能力成長【極】や精神耐性【極】みたいに？」

「うん。　ランクは１から10まであって、ランク10を限界突破すると【極】になるんだよ。　ちなみにランクは冒険者の適正値に当てはめると……」

　スキルランク

　1　見習い

　2　初級

　3～5　中級

　6～7　上級

　8～9　超級

　10　無限級

　極　神級

　となっていた。

　まあ、この見習いから無限級って冒険者クラスも前世での話だから、今の時代にはどうなっているかは分からなかったりする。

「じゃあ【極】って凄いんだね！」

「そうだね。　でもオリビアの場合は取得方法が特殊だから、身体強化【極】は魔力消費の時だけ使うことにしようか。　まあ、ピンチの時は仕方ないけど、それとスキルが簡単に手に入ったのはふたりの内緒にしようね。」

　最初から身体強化【極】なんて使ったらオリビアの為にも良くないし、悪目立ちしてしまうから大きくなるまでは二人だけの秘密にすることにした。

「分かった！」

「よし、じゃあ身体強化で毎日魔力消費をしていこう。」

「身体を鍛えるのは？」

「実は身体強化を毎日やっていれば身体を鍛える必要はないんだよ。　身体強化は身体を魔力で酷使するものだから自然と身体が鍛えられるんだよ。」

「へ～」

　元々は身体強化なんて数ヶ月は練習しないと取得することは出来ない予定だったから、それまでは身体のトレーニングと魔力増幅のトレーニングをやるつもりだったけど予想外の出来事に、予定を大幅に変える必要があるかもしれない。

　★ステータス★

　名前　オリビア

　年齢　５歳

　種族　人族

　属性　全属性

　職業　初級剣士

　スキル　魔力操作

　　　　　武器強化

　　　　　防具強化

　　　　　身体強化【極】

　　　　　能力成長【極】

　　　　　精神耐性【極】