3.異世界生活2日目の幕開け

 ビックウルフを倒した僕は、この巨体をどうしようかと思い悩んでいた。


 というのも、牙を採ったまではいい。

 その後一瞬食べてみようと思ったけれど、お腹は空いてないし、なにより、解体の仕方なんて分からないからだ。


 そこで行き詰った僕は、考えてもらちが明かないので、

 「しょうがない!!寝る事にしよう!!」

 と言って、ビックウルフを枕や毛布の代わりにして、寝る事にした。


 結構サラサラな毛で、気持ちよかったので、すぐに寝てしまったみたいなんだけど・・・。

 よくよく考えたら、モンスターのいる森でよく爆睡できたもんだよなぁと。


 これにて、僕の異世界生活1日目は終了!!

 ちょっと早いけれど、真夜中に転生させられたからしょうがないよね。


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 異世界生活2日目の朝。


 「ふわぁ、ってうわっ!!眩しい!!」

 僕は、太陽の眩しさで目を覚ました。


 起き上がって身体を確認してみる。

 結局のところ、他のモンスターや動物に襲われる事はなかったみたい。


 「よかった~無事みたい。」


 つくづく運が良いもんだ。


 取り敢えず、今日の目標を定める事にした。

 「今日は何としてもこの森を抜けて、あわよくば村か街にでも行きたいな。 そうだ!このビックウルフを売れるかもしれない!!決めた!!街だ街!!街に行こう!!」


 といっても、ここが何処で、街がどっちにあるかも分からないんだけど・・・。

 まぁ、成り行きに任せよう、なるようになるさ!!


 ここから、一文無しの青年の旅が始まった。



 さて、出発する事にしたが問題が一つ。

 ビックウルフをどうするかだ。


 色々考えたんだが、今の僕は一文無し。

 ここに放置するじゃもったいない。

 いざとなれば、食料にもできるし、取り敢えず引きずって行くことにした。


 こうすると、やっぱり重いしスピードは落ちるんだけど、背に腹は代えられない。


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 「3、4時間ぐらい歩いたんじゃないかな??一向に街どころか、街道も見えてこないんだけど・・・。」


 実際、太陽の位置は頂点を過ぎていた。

 もう、4時間は歩いている。

 結構進んだはずだけど、一向に景色が変わる気がしない。


 それから更に1時間歩いた頃、ようやく景色に変化があった!

 街道に出たのだ!!


 街道と言っても、補装のされていない砂利道ではあるんだけど、これを進めばどこかには着くはず!

 それだけで、今までの絶望的な状態に比べれば喜ばしい事だ!


 「よし!頑張るぞ!!」

 

 自分を鼓舞して再び足を動かし始めた。

 でも、先はずっと森の中を通っている街道が見えるだけ・・・。


 「一体どれだけ歩けば辿り着くんだろう??」

 

 そう呟いた途端、突然一気に疲れが来てしまったみたいだ。

 急に目の前がクラクラして、その場に倒れ込んで意識を失ってしまった・・・。



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