第127話 エローパー


「なによ、このスケベローパー。ハルフェルナのモンスターはヘンタイしかいないの!!」

と激高しながら叫ぶ茜だった。


「許さない!! 死ね! ヘンタイ!!」


と茜はマシンガンでローパーを撃ちまくった。

弾丸は炸裂弾になっており当たるごとにローパーは破裂し削られ徐々に小さくなっていった。


「往生せいや!! ファイヤーボール」


バスケットボール大の火の玉が灰色のローパーに命中し消し炭になった。


「ヘンタイ! くたばれ!!」


「茜様、お疲れ様です」


「まだ終わっていないわよ。このヘンタイは魔王じゃないわ、他にいるはず」


茜は辺りの気配を探るように神経を尖らせてみたが魔王らしきものを見つけることが出来なかった。


「一度、加奈殿たちのところへ戻りましょう」


「あら、王子、アリア姫のところの間違いじゃないのですか?」

とニマーという笑みを浮かべた。


が、アリア姫がいるはずの場所には誰もおらず少し離れたところにお付きの騎士が一人倒れていた。

幸いにも一命は取り留めていたが動ける状態ではなかった。

茜はエクストラハイヒールを掛けた。


「一体、何があったんだ? アリア姫は?」

「加奈たちは?詩織は?千代は?」

織田はどうでも良いみたいな茜であった。


「いきなり水色の砂が合体しいローパーが現れたかと思うと姫を・・・・申し訳ございません」


辺りを見ると見ると水色だったはずの地面はどこにでもある茶色に変わっていた。


「え?ひょっとすると、地面の水色がローパーが分裂していたの? 何も気が付かなかった。

 私のスキル、反応しなかったわ」


「何かが這った後があります。茜様、行ってみましょう」

アルファも必死だった。


100mほど進むとまた一人の騎士が倒れている。

茜はエクストラハイヒールを掛ける。


「アリア様が・・・アリア様が化け物に・・・・」


「アリア様は無事なのか?」

アルファが問いかける。


「まだ、無事だと思います。早く早くアリア様を」

それを聞くとアルファは這いずった後を全速力で追った。


200mほど行くと3人の騎士が倒れていた。

残念ながら3人とも息をしていなかった。

それを確認したアルファの表情は明らかに青ざめたが分かった。

アルファは先ほどにも増して全速力で後を追った。


加奈、詩織、千代、無事でいて。織田も。

茜も青ざめるのであった。




^-^-^-^-^^-^-^-^-^-^-^


ローパーは山の洞窟の深いところにたどり着いたときには加奈たちの服は溶けていた。


「この女、鶏ガラみたいだ。美味しく無さそう」


とローパーがしゃべった。

さすが魔王と言うところなのか。

鶏ガラみたいな加奈を触手で縛り上げ体内から外へ触手を使って取り出した。


「鶏ガラは非常食」


「この触手野郎! 覚えていろ! お前は私がブチコロす!!」

鶏ガラ呼ばわりされた加奈はローパーに向かって怒りの声を上げた。


そして千代も体内から取り出され地面に投げ出された。

千代も触手で縛り上げられ放置されたのだが加奈と違うのは胸の膨らみを強調するように縛られていた。


「お前はすぐに食べてあげる」


「このヘンタイ! 許さん!!」

千代も激怒するのであった。


詩織とアリアは一糸まとわぬ姿でローパーの大きな背中?腹?体の上に置かれていた。

二人の体は大の字にされながら身動きが取れないように手と足を小さい触手で固定されていた。


「この二人は美味しそう」

とローパーはしゃべりながら長い触手が二人の体をまさぐった。




^-^-^-^-^-^-^-^-^-^-^



ローパーの這った跡を追いかけると山の洞窟にたどり着いた。

洞窟の前には鎧まで溶かされ素っ裸の織田が倒れていた。


「織田ーーー! 大丈夫」

茜は織田の下へ駆け寄りエクストラハイヒールを全力で唱えた。


「織田、織田、織田。目を覚まして」

と茜は織田を揺すり往復ビンタを噛ますのであった。


「あ、あ、茜様。怪我人なのでもう少し優しく・・・・」


「コイツ、これでも勇者だから大丈夫でしょ」



「う、う、う・・・・・」

往復ビンタが効いたのか織田が目を醒ました。

茜は織田を起こしながら


「詩織たちはどうした?!」


「ば、化け物にさらわれた。早く、早く助けに行ってくれ。俺は大丈夫だ」


「そう」

と言うと茜は支えていた腕を放す・・・・・織田が後頭部を地面に打ち付けることになった。


茜は織田を放り出し這い後の残る洞窟の中にアルファと共に突入した。


洞窟の中は暗く奥へ進むと光が差し込まなくなってくる。


「Light・・・スモール、スモール」

と茜は洞窟内部を照らすために魔法を唱えた。

一応、以前の失敗を考え小さい明りをイメージしたのであった。


明かりを灯し進むと四方100mくらいありそうな開けた場所に出た。

そこが洞窟の最奥だった。





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