ハロウィン当日。

パンプキンはぎこちなく、黒いマントをはおります。

立ち襟の白いワイシャツに黒いサテン地スラックス。

黒いシルクハット。

おばけの正装です。

「準備はするんだな」

「どうせおかしをもらえない」

「おまえはおくびょう者だから」

仲間たちがバカにします。

しかし、いつもと違うふんいきにことばが止みます。

今日のパンプキンはなんだか違ってみえました。

「アイツ、泣かないぞ」

「なみだがでないだけさ」

「でも───下を向いていない……」

そう、まっすぐ前をみていました。

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