既視感

当たり前に会えて

触れることが出来て傍にいる事ができる


記念日の日には傍にいて

耳元で愛を囁いて「永遠」を夢見て

眠りにつく


そんな事が自分にとって当たり前ではなく

ただただ「羨ましい」と眺めるだけ


「あと少し.もう少し」

そう思うほど自分にはそんなシーンは

まわってこなくて気づいたら部屋で1人

泣いている


そんな事が一度ではなく二度も三度も


「次は」「次はッ…」


「なんで」「なんで私は…」


温もりが酷く怖いのに温もりを求めている


触れることを自ら恐れている


この感触が温かさが「思い出」になってしまうのが酷く怖くて


君の視線が私ではない誰かに向いてしまう


それが怖くて.


君は私に微笑みかけてくれる


その頬をそっと手で包み込む.


「愛しています・・・」


何度だって言うよ.

何回だって言うよ.


君を幸せに出来る人は、他にもいるかも

しれない.


幸せになってねと送り出せたら

それはそれで良かったのかもしれない.


でも、もう二度と、私の大好きな君が


他の子の瞳に映るのは私が耐えきれないんだ.


お願い。


傍にいて。


私に触れて。


隣にいて。


私を見て。



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