第8話 凡庸の詩

私は蛍光色の曲線だった


霊長でヒト属で


おまけに乳と膣を持った


生物学入門書のような


ショッキングな彩度を


浅さを愛していた


然れども


君のうちの無数の素描画


その純正の


黒鉛のシンプリシティに


加わりたいと還りたいと


今一度


こい


願うようになった


これは退化か


開眼か

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