第155話 がっしゅく3(美久里)

 おまけ横丁ではたくさんの収穫があった。

 たくさんのお店が立ち並んでいて、食べ物屋もおもちゃ屋も全部見尽くしたのではないかというほど色々見て回った。


「はー、食った食ったっす」

「はい。美味しかったですね……特にうどんが美味しかったです……」

「ここはうどんも有名だもんね〜」

「えびも美味しかったよね。高貴なボクの口に合うよ」

「もうおなかいっぱいでなにも食べられないよ……」


 みんなはお腹を膨らませ、満足そうにその場に座り込んだ。

 たらふく食べたせいで、もうみんな一歩も動けなさそうだった。

 でも、もう予約した旅館は目の前にある。

 ここまでバスを使って進んでこられたのだ。


「あとちょっと……!」


 美久里は力を振り絞り、みんなと一緒にやっと旅館へたどり着いた。


「ご予約の萌花様ですね。ごゆっくりおくつろぎ下さいませ」


 五人は一旦部屋に荷物を置いたあと、さっそく露天風呂へ直行する。

 脱衣室で服を脱いでいる最中、当然というかなんというか、話題がそっち方面になっていく。


「柚ちゃんも結構胸あるよね〜。葉奈ちゃんといい勝負かも〜?」


 紫乃は羨望の眼差しで、柚の胸元をじっと見つめる。


「そ、そうかな。その話されるとなんか照れちゃうな……」


 柚は真っ赤に染まった頬をかく。

 こういう話題は得意ではないようだ。


「へっへっへっ、スキありっす!」


 葉奈は柚に前から抱きつき、胸を軽く揉む。


「ふぇっ! もう葉奈さんってば、くすぐったいからやめてよー」

「ただのスキンシップっすよ〜。ほれほれ〜」

「なんか葉奈ちゃん、おじさんみたいですね……」

「それは同感……」


 柚と葉奈は小さい子たちのようにじゃれあっているが、やっていることは小さい子たちのそれではない。


「萌花ちゃんともいい勝負じゃない? おしりもおっきいよね〜。触らせて〜」


 そう言い、紫乃も便乗する。


「もっ、もう、紫乃さんまで……!」


 前からも後ろからも色々なところを揉まれる柚。

 嫌がりつつも、どこか嬉しそうな表情を浮かべていた。


「萌花ちゃんも葉奈ちゃんも胸大きいよね。私と紫乃ちゃんは、貧乳コンビだね」


 美久里は胸の大きさに自信がないからなのか、バスタオルをしっかり全身に巻いていた。

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