第8話 墓穴を掘ったハヤト
「こんにちは!」
マルセルがやってきた。
「いつも悪いな」
「いえいえ、原料と薬剤の運搬くらい、なんてことないですよ。ザザちゃんとララちゃんにも会えるし」
ララへの魔力供給が1日1回程度になるまでは自宅勤務になるため、マルセルが薬の原料を持ってきて、出来上がった薬剤を持ち帰ってくれている。
相変わらずマルセルはいい奴だ。ザザとララもマルセルが来ると大喜びだ。
「ララちゃんへの魔力供給、だいぶ間隔が空いてきましたね。1日1回になるのは、いつごろになるんでしょう?」
「あと1か月くらいだと思うぞ」
ロボフェンリルがバッフバッフ尻尾を振る。
「そうなったらロボさんは冒険者に復帰ですか?」
「半日程度の依頼をこなしながら様子みだな」
「でも受注できる依頼は少ないかもしれませんね…」
「どうしてだ?」
「昨夜のSNSのロボさんのツガイ発言、また炎上してますから小さな女の子のいるご家庭に関わる依頼は無理ですよ。ララちゃんへの魔力供給をたてにロリコンが暴走していると思われていますから。今日、外に出たら大変ですよ」
……そこまでは考えていなかったな。
「なのでハヤトさんとロボさんの同居も当分、続きますね」
── 俺は感情的になり過ぎて墓穴を掘ったようだ。不本意だが昨夜の投稿をフォローしなければ。
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