第29話 当日
「どうなったの?」
「無事もらえたってさ。喜びのスタンプが鬱陶しい」
「そう」
「そっちもお疲れさん。どうせ色々手伝ったんだろう?」
「ええ、この一週間ずっと浮き沈みする馬鹿の相手に肩がこったわ」
「はは、こっちもだ」
「貴方は良いじゃない。最終的に殴って黙らせれば良いんだから」
「……どっちかと言えばその手はそっちが使ってないか?」
「そうかしら」
「おお、怖い。んじゃ、また明日」
「もう帰るの?」
「あ? そりゃな、あの馬鹿も今日は鬱陶しいだけだろうしここで待っててやる必要もねえし」
「いくつもらったのかしら」
「は?」
「チョコレート」
「ああ……、もうちょっと文脈……。帰ったら母さんと姉ちゃんからもらえるんじゃねえかな? あー、でも姉ちゃんこの間フラれたばっかだから今年はくれねえか」
「そう」
「実際この年になったらこんなもんじゃね? 今更チョコもらえない程度でどうこう言うのはあの馬鹿くらいなもんだろうし」
「それじゃあ、これが一つ目ね」
「え」
「あの子が作るついでに一緒に作ったのよ」
「……」
「何か言いなさいよ」
「これは、義理ぐふぉッ」
「あ?」
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