第6話 汚ねぇ花火だ
遂に一学期が終わった。来たるは夏休み。リア充の祭典である。リア充爆発しろ。そんな夏休みに僕は何をしていたのだろうか。
課題である。
もちろん課題の山を登っていたのである。
富士山にも迫る
課題の山という田園地方の開発に勤しんでいたのである。
英語数学国語理科社会謎の家庭科そして極めつけの保健体育。
終わらない課題、されど過ぎていく時間。
現実はこんなにも残酷であったか。
とかなんとか言いつつも七月中には終わらせる筆者のタスク処理能力はなかなかであると思う。
そんなこんなで8月になり、あることに僕は気付いた。
あれ、どこにも遊びに行ってない、、、
筆者の通っていた学校は自称進学校。7月が終わった段階で遊んでいないということはこの先、追加で出されるであろう課題の前にエネルギーを補充していないも同然。
このままでは夏の夜空にはじけ飛ぶ花火のごとく粉微塵になってしまう。
ここで筆者は思いついたのだ。
彼女をデートに誘おう。
筆者は調べた。デートプランを。事細かに調べた。他のみんなが学校と命を懸けた戦いを繰り広げる中、筆者はインターネットの海を漂っていた。
想像の海に浸っていたのだ。
そして渾身のメッセージを送ったのである。
僕と一緒に映画館に(以下省略)
夏にもかかわらず、誘ったのは映画館。花火はいったいどこに行った。お前の脳味噌は花火のごとくはじけ飛んでしまったのか。花火が恥ずかしかったのならお祭りでもよかった。浴衣は見たくはないのか。ああそうか、過去の僕よ。わかったぞ。制服の彼女であっても、所詮雑魚キャラに過ぎないお前のことをただ存在するだけで焼き殺せるというのに、天使の浴衣姿など見てしまったら、跡形もなく魂という存在の原点から消されてしまうからか。なるほど、さてはお主、頭がいいな。
そして返ってきたメッセージはこれである。
ごめんね、家が厳しくて、男の子と一緒に遊びに行けないの!
なんで僕が夜空に爆発しないといけないんだよ。
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