面白いです！
　星新一のショートショートのようにダークな発想ですね。
　早津の設定も予想の斜め上を行っていました。物語の続きが楽しみです。

　「即席冷凍彼女」という商品名（しかも5000円）なので、てっきり彼女たちに人権はないのかと思って読み始めましたが、意外とそうでもないんですね。少なくとも今のところ、購入者に「現れた彼女を養う義務が付与される」だけで、冷凍彼女の側は特に何の義務も負わない仕組みのように見えます。マジレス的なことを言うと、それで商品として成り立つのかちょっと疑問です。また、「早津は物分りが良いようだ」という描写を見ると、彼女は未来の社会でも自立して生きていけそうですが、それでも彼女が主人公の元を離れる素振りを一切見せないとしたら、そこもちょっと不思議です。
　今後の展開で楽しみでありちょっと不安でもあるのは、早津が冷凍彼女であるという設定が今後きちんと活かされるのかということです。未来のお化け屋敷なら21世紀にはなかった仕掛けがあってもおかしくないはずですが、早津が特に動じないので、そこだけ見ると、さすがという気もする一方でちょっと拍子抜けでした。

　今回も細かい点について触れさせてください。

プロローグ
・「その瞬間、男は女の子を養い、女の子は男に命の保証されながらこの時代を楽しむ契約が自動的に結ばれる」→「命の保証をされながら」。

第１話
・「その分の金は自己負担であり、手にかけるのは相当な金がいて勇気がいる」→「相当な金が必要で、勇気がい（要）る」あるいは「相当な金と勇気が要る」。
・「金を使わないために彼女を放置するとネグレクト、つまり虐待となって罰金刑に課せられる」→「罰金刑に処せられる（処される）」あるいは「罰金を科せられる」。ネットによると、刑法では「刑に処せられる」という使い方がされていますが、「刑に処される」でもありかもしれない、とのこと。なお、「課せられる」という表現もありますが、罰金については「科せられる」の方を使うそうです。
・「負ける気がしないと言う自身のまま溜まったお金を競馬に落とす」→「自信のまま」。
・「その空白を埋めるため、説明書が詳しく補完するのだ」→「その空白を埋めるため、詳しい説明書が添付されるのだ」。
・「説明書を見ると否や、すぐに置かれた状況を理解した」→「見るや否や」。
・「社会に打ちのめされ今を生きる活力を失いゆく女の子が未来、すなわち未知なる世界へと飛んで人生をやり直す」→「活力を失った女の子が」あるいは「活力を失いつつある女の子が」。
・「そこには辛い過去を引きずる一面を見せる」。上手く説明できませんが、この表現にちょっと違和感があります。そこで、「そこには」を削って「辛い過去を引きずる者もいると聞く」「辛い過去を引きずる者が多いという」などの表現を提案させてください。

第２話
・「夜と言えば幻想的な風景を思いま浮かべるだろう」→「思い浮かべるだろう」。
・「触覚は右手に握る早津の手だけが感じている」→「手だけを感じている」。

　長文失礼しました。