夕方。






赤い日差しが私たちを照らした。






「…奈緒美、そろそろ、帰ろっか?」






「うん、私も夕飯の支度しなきゃいけないから、帰るね。」






喫茶店(マッカローニ)を出て私は、洋子に手を振った。






近くのスーパーで夕飯の買い物をした。






「えっと、野菜は家にあるからーお肉と味噌買わなきゃ。」






品出しをする人や惣菜を並べてる人を見ながら、私も早くパートを決めなきゃなっと思った。






レジを済ませ、買い物をした物をレジ袋に入れてスーパーを出る。






私は、振り返りレジを見て溜め息をつく。






「私も、あんな感じに働くのかな…」






外に並んだ求人雑誌を眺めて、一通りレジ袋に放り込んだ。






そのすぐ横の、電信柱に目がいった…






「素敵な出逢い待ってます?」






ヘンテコなキャッチコピーの如何わしいシールが貼ってあった。






「ふーん、こんなの電話する人いるのかね。」






「さぁー試しに電話してみますか?」






「キャッ。」






年甲斐もなく、小さな可愛い悲鳴をあげてしまった。






「あれ、おばさんかと思ったら、結構可愛いですね。」






「し、失礼ですよ。」






私は、振り返り睨み付けた。






「あ。」






「え?」






そこには、二十歳そこそこの可愛い男の子がいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る