烏の濡れ羽色

「北斗さんって、私の髪のことを考えるのが好きですよね」

「……そんなに考えてる?」

「考えてますよ。もしかして、黒髪フェチなんですか?」

「……ふぇちってなんですかぁ?」

「知能を下げて場を乗り切ろうとしないでください」

「ダメか」

「ダメです。っていうか、私は嬉しいんですよ?この髪が北斗さんのお気に召したというのなら、普段のお手入れを頑張っていた甲斐もあるというものです」

「頑張ってるだろうなぁ。洗うだけでも、俺の100倍くらいの手間をかけてそうだ」

「それで、本当のところどうなんですか?」

「……如月の髪は好き」

「……素直に口頭で言われるのも、それはそれで照れてしまいますね」

「(かわいい……)」

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