冬らしいこと

「スケートをしに行きたいです」

「また唐突な……滑れるのか?」

「幼い頃に一度行ったことがあるくらいなので、今はもう難しいかもしれません」

「そうか。俺も滑れないんだが、どうせなら滑れるようになりたいよな……あ、幹典なら滑れるかもしれない」

「彼に出来ないことってあるんですか?」

「ある」

「なんですか?」

「現実に恋をすること。あいつは本当に、二次元のキャラクターにしか興味がない」

「……現実でなくても、心の拠り所があるというのは素敵なことですよ」

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