揺れる視界、肩を貸してくれる君

「さるやんごとなき組織から予算をいただいたので、遊園地に行きましょう」

「さるやんごとなき組織とは一体」

「内緒です」

「そんな金で遊園地なんか行けるか!」

「じゃあ、私一人で行きますけど」

「本気か?」

「本気ですよ」

「……問題ない金なんだな?」

「はい」

「……行くか、遊園地」

「北斗さんならそう言ってくれると思ってました」



「遊園地といえば、コーヒーカップですね」

「そうだろうか」

「ちょうど誰もいませんし、乗りましょうよ」

「……そうだな。優しそうな乗り物から乗っていこうか」

「これはこう、真ん中を回して速度を上げるのが楽しいんですよね」

「バカッ!回しすぎだ!」

「えっ?もっと回してほしい?分かりました。全力で回します!」

「違う!バカ!違う!ああああああああ!!」

「ふぅ、楽しかったです。……どうしたんですか、北斗さん。その顔は一体どうして?」

「お前、わざとだろ?」

「そんなつもりは……」

「ないのか……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る