耳がいいというより焼き芋屋さんの主張が強い

「向こうから、石焼き芋屋さんの声が聞こえますね」

「え?……あ、ようやく聞こえ始めた。耳がいいな」

「そうでしょう、そうでしょう」

「買うか?」

「うーん。聞こえたのは嬉しいんですけど、どうしましょう。今月、ちょっとピンチなんですよね……」

「仕方ない。俺が奢ろう」

「やりました。ありがたき幸せです」

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